ドアに挟まれました
私にしてみれば通勤のためにバス電車を乗り継ぐというのは42年ぶりのことです。 月曜から金曜まで週5日のアルバイトなのですが、要する時間は片道約2時間弱です。 道中、小田急線・井の頭線・京王線と3系統も乗り継ぎ乗り換えがあります。 「駆け込み乗車は危ないのでおやめください」とアナウンスされていても、何といっても片道2時間弱の通勤事情ですから、その車両に乗れそうであれば満員の車両に割り込むのは人情です。 階段を小走りに降りて10両編成の電車の4両目に、「失礼」と小声で挨拶しつつ乗り込んだ直後、ほとんど同時にもう一人の方が私の後に続きました。とりあえず2人ともセーフ。 ドアが閉まりかけました。 がドアは閉まりません。 とっさにその方のショルダーバックがドアに挟まったのだと理解しバックを引き抜く手伝いをし、バックは車内に引き込めました。 「ありがと・・・う」と感謝の言葉が途中で途切れます。ドアは閉まりません。 「?」と思っていると、「足が…」とつぶやかれます。 確かに右足の先端が挟まっていて全く引き抜けません。 「なんと大変!」とドアの外の駅員さんに目をやると、駅員さんは10両編成の先頭車両方面と後方方面の車両の安全確認に気を取られていて、まさに目の真ん前のこのドアの事態に全く気が付きません。私はドアに手をかけドアを開こうとしました。 自動ドアを閉める機械の力は強いものですね。 そしてドアを開けようとする私の腕力は悲しいほど非力で自分でもショックでした。 それでも火事場の糞力、閉まろうとするドアに多少は力が及んだものかその方の靴は車内に引き抜けました。ほっと一安心も束の間。 こんどは私の右手の4本の指が第3関節の処でしっかり挟まってさっきよりも狭く閉まりかけたドアの隙間から引き抜けません。 なりふり構わず引き抜こうとする私、それを見てさっき靴を引き抜けた方が手助けでドアに手をかけます。 私の手は引き抜けたものの、今度はその方の右手御指先が第一関節の処で3本引っかかりましたがどうにか外せました。 今年の4月から8か月目ですが、今朝はこの8カ月間の中で最も痛い目にあいました。
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