所用の帰り、田園都市線渋谷駅19時13分発の中央林間行き急行に乗りました。
　何年ぶりかのラッシュアワー、戸惑いながら列の後ろから押されるように乗り込んだ所はドア近辺で掴むつり革の空きはなし、読もうとカバンから取り出しておいた文庫本も読めるような状況ではなく、やむを得ず左手にカバン、右手に本を持ちながら車内観察をすることにしました。
　7人掛けの長椅子を横方向から見渡すと、何と7人中、居眠りをしている中年男性を除き全員がスマホを見ている。立っている人は、ドア横のポールにもたれている人、座席の前のつり革にぶら下がっている人、15人中13人がスマホを覗いている。新聞や本を読んでいる人はひとりもいません。
多分スマホで電子ブックやニュースサイトを読んでいる人もいるのでしょうが、それにしてもSF作家の小松左京や星新一でもこのような光景を想像できたでしょうか。
　我々の現役時代は、ラッシュといえば週刊誌や文庫本、新聞をラッシュ折り（横に折らずに縦に長細く折る）にして読んでいるのが見慣れた光景でした。活字離れと言われて久しいですが、この様な光景を目の当たりにすると、異様な感じさえします。
　因みに、途中二子玉川駅で多くの乗り降りがありましたが、居眠りしていた男性は降りかわりに座った若い女性はもちろんのこと、つり革につかまっていた人もスペースに余裕ができたか、やおらバックからスマホを取り出し、操作し始めました。
これで23人中スマホをいじっていないのは、私を含めても二人となりました。