早稲田大学春秋会だより 平成29年11月30日
早稲田大学春秋会2018年新春の集いご案内
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は春秋会の活動にご協力頂きまして厚く御礼申し上げます。下記の通り2018年新春の集いを開催致しますのでご通知致します。 皆様のご参加をお待ち申し上げます。
日 時 : 平成30年1月27日(土)12時50分より(受付 12時20分) 場 所 : 早稲田キャンパス15号館(共通教室) 2階201教室 講演会 12時50分~14時30分(質疑応答含む) 懇親会 楠亭(大隈会館1階)15時~16時30分 演 題 : 「排日移民法」と闘った外交官 ~1920年代日本外交と駐米全権大使・埴原正直~」 講 師 : チャオ埴原三鈴:元マッコーリー大学教授 会 費 : 5,000円
(平成29年6月10日第120回総会において予定しておいた上記講演は、講師の都合により、2018年新春の集いに変更となりました)
【講師プロフィール】早大政治経済学部卒、カリフォルニア大学バークレー校大学院修士、総合研究大学院大学にてPhD。マッコーリー大学(シドニー)日本学科長、日本教育研究センター長を経て2007年退官。埴原正直の弟弓次郎(早大卒、古河銅山副社長)の孫にあたる。シドニー在住。
【講演内容】埴原正直は1876(明治9)年8月山梨県南アルプス市出身。1897(明治30)年、東京専門学校(現早稲田大学)政治学部英語政治学科を優等首席で卒業。43才で外務次官、1922(大正11)年12月に46才という日本外交史上最も若くして、しかも、早稲田大学出身唯一の駐米全権大使となった。前任者はいずれも幣原喜重郎であった。1923年12月、米議会に提出された新移民法案(いわゆる排日移民法)に含まれる排日移民条項は、人種差別であるとして修正を求め、埴原正直は議会を相手に華々しく闘った。結果的に彼の(日本の)要求は通らず、翌年1924年4月に可決されたが、彼のフェアプレーとも言うべき闘いは、米国内の多くの良心的リベラルな知識人やマスメディアに称賛され、米国の名門ブラウン大学から名誉博士号を授与されるに至った。にもかかわらず、彼の優れた功績は、わが国の歴史に埋没されている。何故か?今回は、世界的激変を迎えた戦間期(1918~1939年)外交の渦中にあって、日米両国の協調こそ世界平和の要と信じ、その建設・維持に心血を注いだ外交官についてお話をしていただく。 --------------------------------------------------------------- また、当日は2018年新春の集いに先立ち、11時半より「紺碧の空」碑献花式を行います。お時間のご都合のつく方は大隈会館前「紺碧の空」碑前にお集まり下さい。なお、2018年新春の集い出欠については同封の返信ハガキにて開催10日前の平成30年1月17日(水)までに投函のほどお願いいたします。お問い合わせは齋藤徹也副事務局長まで。 齋藤副事務局長アドレス tsaito@kamakuratrust-ad.com、携帯 090-1708-3660
~秋の墓参会報告~
平成29年9月30日午前10時半過ぎ、残暑もようやく和らいだ晴天の下、護国寺に初参加3名を含め計13名集合。鴛海会長代行の先導でまず大隈老侯の墓前へ。予想に反し雑草や落ち葉は少なく、新しい榊もお供えしてあった。諸江幹事長発案で苔むした数メートル程の石碑を、危険も顧みずタワシをもってピカピカに磨き上げる事に専念。老侯もさぞやサッパリされご満足なご様子。途中、草加史談会メンバー多数を墓に招き入れ、護国寺存続の為、明治新政府に掛け合った老侯のご尽力を説明。大石事務局長指揮により「都の西北」を斉唱した後、歴史的にも価値ある本堂を見学、山縣有朋、三条実美の墓など散策し雑司が谷霊園に向かう。昼食後は校歌作曲者、東儀鉄笛の墓に献花、「紺碧の空」作詞者27歳で無念にもこの世を去った住治男の墓にも献花。最後は安部磯雄で終了。今回も清々しい気分をいただき楽しい一日でした。(小太刀昌雄記)
参加者(敬称略あ順)大石和礼、鴛海量良、小野沢純一、片岡冬里、小太刀昌雄、正呂地憲治、高原 孝、寺内清高、寺崎敬市、野中信男、福富一平、村岡達朗、諸江昭雄、以上13名
~第121回秋季大会報告~
平成29年10月21日16時30分、この日は大学当局が推進してきた「早稲田文化芸術週間」の最終日、かつ大学の創立記念日でもあるが、折しも3日前から降り続く季節外れの長雨の影響か、足下の悪い中、出足の遅い参加者が三々五々と会場の大隈小講堂(300人収容)に集まり、10分遅れで漸く総数約80名に達し開会の運びとなった。 役員、幹事17名は一時間前から早々と参集、各自の役割分担を予定通りに整然とこなして準備万端なるも、降りしきる雨の中、恒例の「紺碧の空」歌碑への献花と斉唱を中止せざるを得なかったのが多少心残りとなる。今回の大会は、三部構成による講演会と懇親会の二本立てであり、その概要を以下に順を追って記す。
【講演会】大隈小講堂 青葉ひかる副会長の司会により、今回の講演会の概要が簡潔に紹介された後、海老沢勝二会長より、昨今の国際情勢や時代の動向、その中の日本の現状、母校早稲田大学の役割や課題、特に人材育成など、今大会全般に関わる冒頭のご挨拶を頂く。 [第一部] 講演「最高の授業を世界の果てまで届けよう」 税所篤快(講師) 約30分に亘る税所氏のプレゼンテーションは、大型プロジェクターに次々と写し出される、大変分かり易くて生き生きとした世界各地(特に南アジア、中近東、アフリカ等)の写真画面を駆使して聴衆を圧倒してゆく。自由奔放、型破りなこの青年は、貧しくて充分な教育を受けられない、これら発展途上の国々の志しある若者達に、大学受験のための最高の授業を惜しみ無く提供するというボランティア事業を、学生時代から数年間に亘っていとも簡単にやってのけてきた。金の掛からない最高の授業を、施設やインフラの整わない現地にて、如何にして若者達に提供するか?、という課題に対し、パソコンとCDを用いて、その国のトップクラスの予備校講師達の録画授業を個々の若者達に提供するという発想が、いかにも現代風で面白いが、当に驚くべきは、それを形振り構わず現地を飛び回り実行し、しかも立派に成功してきていることである。地方の貧しい農村で、金もなく予備校などへ行けない若者達の中から、その国のトップクラスの大学へ入試合格するという事例を次々と生んでいる。 勿論のこと、様々な困難に直面してきているが、常に前向きで、悩みながらも、明るく乗り越えてきている、何と逞しいことか!、講演終了時には感動した聴衆の惜しみ無い拍手が鳴り止まなかった。 [第二部] パネルディスカッション「究極の進取の精神とは?」薄井大地(ファシリテイター)、税所篤快(パネラー)、松原信英(同、法学部4年)、大石慎治(同、文化構想学部4年)(敬称略) 講演の10分後、舞台転換を終えてパネルディスカッションが始まる。司会進行役の薄井氏により、講師に加え二人の現役学生(松原氏、大石氏)を含む三名のパネラーにより、約20分という短い時間帯の中で、テーマである「究極の進取の精神とは?」に手際よく迫ってゆく。 税所講師の動機は単純明快で、学生時代に付き合っていた彼女に振られ、「ヨシ!、何かビッグなことをやって見返してやろう!」、ということ。対する彼女の返答が面白い、「その時が来たら記事を読んであげるわ!」と。次に二人の学生の発言、「土台が全くないところから始めるのがこの上なく楽しい、自身のワクワク感が盛り上がっている1」、と松原さん。「日の当たらない無数の人々がいる、そのような人のためになることをやっている、という自負感、パイオニアになる喜び!」、と大石さん。最後に、NPO法人「e-Education」の責任者でもある薄井氏から、当活動への義援金募集のお願いあり。 [第三部] 質疑応答 残り時間が少ない中、約15分足らずの質疑応答が青葉司会により進められた。以下、主な質疑応答例を記す。 「活動のフィロソフィーや、如何に?」、対する応答は、「フィロソフィーなど特にないが、ノーベル平和賞を受賞されたバングラディッシュの先生に相談したら、Do it!, Do it! と言われて始た」、... と。次に「映像授業、日本では何とか知的好奇心や楽しく学ぶことを引き出すのに苦労するが、発展途上国ではさらに困難だと思われる、どの様な工夫をされているのか?」、対する応答は、「途上国には、学びたい!というやる気、知的好奇心が既に溢れている、ハングリーなのだ」、... など。
【懇親会】 大隈会館「楠亭」 場所を変え、当初からの遅れにて青葉司会による懇親会の開宴は18:40を過ぎていたが、「e-Education」のインターン学生や講師を含むOBが6名も参加、総数61名に達し開宴前から賑やかな雰囲気に包まれていた。 冒頭に鴛海量良会長代行より開会の挨拶、今大会に至るまでの経緯や当NPO法人への謝辞、計画実行・準備の世話人への労いなどのお言葉を頂く。 乾杯の音頭は西原春夫名誉顧問、講師を初めとした若者達の驚くべき活動に、心底より感動、勇気を与えられた!と絶賛された後、一同声高らかに乾杯、一気に宴が盛り上る。 歓談の中、一時して懇親会の初参加者によるショートスピーチ、会員から3名(石澤一郎、松本賢悟、寺﨑敬市 ... 敬称略)、特別参加の2名(宮崎早季、税所篤快 ... 敬称略)、各々に自己紹介や今大会の印象などを話して頂いたが、その後も和やかな会はさらに続き、談笑の輪は益々拡がってゆく。 最後に石田明人副幹事長の指揮により校歌斉唱、若い学生達と共に、思い切り、声高らかに歌い上げた。 閉会の挨拶は猪瀬敏彦副会長、今大会の総括を簡潔に述べられた後、初めての三本締めにて、誠に気持ちの良い終宴となった。(片岡冬里 記)
参加者(敬称略あ順)青葉ひかる、安藤良男、石井精二郎、石川洋三、石澤一郎、石田明人、伊藤哲子、猪瀬敏彦、薄井好雄、海老沢勝二、大石和礼、鴛海量良、小野沢純一、小野寺敏、片岡冬里、片山留偉、加藤善高、岸田正和、輿水敦、小高俊久、小太刀昌雄、齋藤徹也、島崎健司、島田實、高原孝、武田淳史、田坂忠俊、田中寿三郎、土倉享一、出川達郎、手塚善雄、寺内清高、寺﨑敬市、友納あけみ、中川幹雄、中西剛、中村哲三、南雲靖夫、成瀬晴代、西原春夫、野中信男、信井文夫、初谷幸一、藤井裕久、松原邦博、松本賢悟、宮崎早季、村田光平、村原正隆、守屋孝、諸江昭雄、山口光朗、横山恭造、横山重文、吉田富康 以上55名
~291109執行役員会報告~
去る11月9日大隈会館306にて開催した標記執行役員会を以下、ご報告いたします。
Ⅰ.次回執行役員会 平成30年1月13日(土)14:00~17:00 大隈会館306
Ⅱ.第121回秋季大会反省会 → 早稲田文化芸術週間の最終日(平成29年10月21日) 1.当日は雨天のためか大隈小講堂300人収容のところ参加者80名と少なかったが、終了後も学生と覚しき若い参加者10人ほどがパネラーたちと熱心に話し込んでいるのが目立った。 2.当日の詳細は片岡冬里副幹事長の別掲「秋季大会報告」を参照されたい。 3.懇親会は、講師等ゲスト6名を含めて61名の参加があった。参加費収入55人×@5000 =27.5万円、楠亭60人×@4500=27万円ほか支払、差引1670円余剰金 4.講演会参加者が少なかったほかは、おおむね好評であった。
Ⅲ.2018新春の集い 1.日 時 平成30年1月27日(土)とする。タイムスケジュール等は1頁を参照。 2.講師の埴原三鈴先生の講演は一般公開としているので、校友会の協力を得て会場は15号館(共通教室)201教室(334人収容)。 3.講演会 ①対象 一般公開:会員・教職員・学生・校友・一般 ②特定の稲門会のために「早稲田大学校友会からのお知らせ」一斉メールを利用出来なくなったため、早稲田学報2月号(1月15日発行)「稲門会・校友会イベント開催のご案内」に掲載することとなった。 ③東京都23区支部(23稲門会)、東京三多摩支部(26稲門会)のほか、今回は神奈川・千葉・埼玉県支部傘下の各稲門会(それぞれ15、25,29稲門会)に直接告知並びに郵送案内をしてもらう。計118稲門会。 ④ポスター作成、学生サークル(例えば、政友会」)、政経稲門会等への告知も検討する。 ⑤講師が所属していた政治経済学部の小松ゼミ、出身の成蹊学園にもアプローチする。 ⑥役員・会員の友人知人へ告知 ⑦山梨学生稲門会の応援を要請 4.懇親会 楠亭 15:00~16:30
Ⅳ.早稲田大学春秋会だより第120号について掲載原稿の決定、原稿締め切り11月30日、印刷日12月10日、会員発送日12月中旬等決定した。
Ⅴ.早稲田アリーナ募金 別稿参照
Ⅵ.第122回総会 1.日 時 第1候補 平成30年05月26日(土)、第2候補 平成30年06月09日(土) 2.会 場 大隈会館とするが予約不可能の場合は校友会に協力をお願いする必要あり。 3.総会案内は早稲田大学春秋だより第121号。4月上旬発行。 4.講師候補者 以下①から④は鴛海量良会長代行、⑤は諸江昭雄幹事長提案、⑥は野中信男相談役からの提案。このほか次回執行役員会で提案を募る。講師の都合もあり早めに決める必要あり。講師選定については以下の意見あり。早稲田大学春秋会の根幹に係わるテーマであるので、やや詳細に報告。また、ご意見があれば鴛海まで。 aloha.cpa.oshiumi@nifty.ne.jpまたは携帯090-4396-1596へご連絡下さい。 イ.自分の価値基準から判断するのではなく、視点を変えて、会則に定める当会の目的・理念(建学の精神、学祖大隈重信侯の遺徳を継承し普及)に立脚して検討する必要があるのではないか。 ロ.他の稲門会のどこでもやれるような講演でなく、早稲田大学春秋会だからこそ出来る、やれる、さすが早稲田大学春秋会だ、と言われる講演を心がける必要があるのではないか。つまり、いい意味での差別化である。 ハ.早稲田大学春秋会に入って初めて、第120回総会で朝河貫一の話(山内晴子先生)を知って良かった。こういう早稲田が生んだ先輩の存在を知ることができるのは早稲田大学春秋会だからこそだと思う、という意見あり。 ニ.朝河貫一の講演を聴いて感激した。それまでの早稲田大学春秋会は右翼だという認識を改めたという一般参加者もいた。 ホ.社会の歪みや矛盾に積極的に発言しようとしている若い研究者に発言の場を与え、支援することも、早稲田大学春秋会として必要ではないか。 以下、議事録作成に当たって鴛海から補足 ヘ.個人的に知っているからという理由でなく、しがらみを捨てて、あくまでも上記イの観 点から検討する必要があるのではないか。 ト.講師が有名だから参加者が多いとは、経験則からはいえない。無関係。 チ.内容が堅いから面白くない、内容が堅くないから面白い、という等式は経験則から成り立たない。内容が難しいのはいくら為になるからといって面白くないのではないだろうか?
①上田美和(早大政治経済学部、同文研博士課程、文学博士) → 石橋湛山 「自由主義は戦争を止められるのか~芦田均・清沢洌・石橋湛山」吉川弘文館2016 ②有馬哲夫(早大一文、東北大学大学院、早稲田大学教授)「歴史問題の正解」新潮新書 2016 ③萱野稔人(早大文、パリ第10大学大学院哲学科博士課程、哲学博士、博津田塾大学教授) 「成長なき時代のナショナリズム」角川新書2015 ④篠田英朗(早大政治経済学部、ロンドン大学国際関係学Ph.D.東京外国語大学教授) 「ほんとうの憲法 ~戦後日本憲法学批判」ちくま新書 2017 「憲法を曲解してきた戦後憲法学の陥穽を突く。なぜ、日本の憲法学はガラパゴス化したのか」で2017年度読売・吉野作造賞受賞。 ⑤堀江朋子(早大法学部、作家)「新宿センチメンタルジャーニー[私の新宿物語]」図書新聞 ⑥尾形哲也(早大理工学部、早大理工学術院基幹理工学部表現工学科教授) 「人間型知能型ロボットプロジェクト(ABOT)」について
Ⅶ.第123回秋季大会 → 来年の話 1.早稲田文化芸術週間の一環として組み込む → 総長室校友課協力了解済み 2.期間 平成30年10月21日(創立記念日)を末日とする2週間のうち21日(日)は稲門祭を予定しているので土曜は13日のみ。 3.申し込み締め切りは文化推進部文化企画課へ平成30年5月15日(火)。 会場の希望もOK。 4.講師候補:真辺将之(早大教授)「大隈重信 ~民意と相克」中公叢書 5.遅くも次回(平成30年1月予定)の執行役員会において決める必要あり。(鴛海量良 記)
~2017稲門祭・出陣学徒献花式 春秋会参列~
秋雨の降る10月15日、校友会主催の祭典2017稲門祭と大学主催ホームカミングデー式典がキャンパスにて催行された。春秋会では、大学と早稲田大学出陣学徒の会に協力し、毎年大隈庭園平和祈念碑献花式に会員の参列をお願いしている。今年も出陣学徒の会会員でもある西原春夫春秋会名誉顧問(元総長)を始め有志多数が参列し先の大戦に斃れた早稲田大学の学生、教職員4700余名の慰霊と鎮魂のため献花し校歌を捧げた。最近は生還した出陣学徒の出席者も年々減り寂しくなってきたが、先輩を記憶し語り継ぐことは続けたい。献花式には毎年慶應義塾戦没者追悼会代表幹事 玉川博己氏が出席しておられるが、11月11日、三田キャンパスにおいて開催される「還らざる学友の碑」献花式には春秋会も列席する予定である。(諸江昭雄 記)
(参加者)(敬称略あ順)出陣学徒の会会員鴛海量良、諸江昭雄、片岡冬里、他春秋会会員多数。
~学徒出陣74周年「出陣学徒壮行の地」碑前における追悼献花式~
曇天の明治神宮外苑、秩父の宮ラグビー場に仮設置された「出陣学徒壮行の地」碑前の追悼献花式に出陣学徒の会会員として列席した。例年ならば戦前明治神宮競技場(旧国立競技場・現在立て替え中)において出陣学徒が雨中行進した10月21日が追悼献花式の当日に当たるが、今年はラグビー試合があり一日前倒しして式典が行われた。今年の生還学徒の出席は二人のみで稲門は欠席であった。スピーチに立った慶應義塾生還学徒は、担ぐ三八銃が雨中行進で汚れると手入れが面倒なので、友人と相談して神宮競技場行進をさぼりコーヒーを飲んでいたと語り往時学生の細やかな抵抗を語ってくれた。然しその友人もビルマ戦線で戦死し寂しいと漏らしたが、戦時、学徒にも息抜き出来た者がいたと聞いて何故かほっとした気分になった。新国立競技場の完成後に碑は元の場所に戻されるが、去りし日々は戻らない。(諸江昭雄 記)
(参加者)(敬称略) 出陣学徒の会会長 杉浦利重 会員 諸江昭雄 以上2名
~中野正剛先生・祥月命日墓参報告~
10月27日、中野正剛先生祥月命日墓参会は、晴天に恵まれ東京都多磨霊園の一角に有志が集まった。1942年(昭和17年)11月10日午後3時から2時間半にわたって行われた中野正剛の講演の演題は「天下一人を以て興る」、当日大隈講堂を埋め尽くした3千人を超える学生たちは最後まで一言漏らさず聞いた。「目覚めよ。天下一人を以て興れ。これが私の親愛なる同学諸君に切望するところである」これに対し学生たちは起立して都の西北を合唱して応えた。学生たちの中で三年生は翌年入営、二年以上は学徒出陣で繰り上げ卒業となり戦場で生命を散らす。この演説から凡そ一年後1943年(昭和18年)10月21日、早稲田大学創立記念日に当たるこの日、中野正剛は東條内閣倒閣運動の容疑で警視庁に連行され証拠不十分で一旦は釈放されるが、再度東京憲兵隊に拉致され自宅監禁の中、27日午前零時、憲兵二名が隣室で見張る中で自裁された。(諸江昭雄 記)
参加者(敬称略あ順)鴛海量良 小野沢純一 片岡冬里、鈴木康之、中島久子、中島ヨシ子、仲野綾子、中村友哉、藤原忠夫、南丘喜八郎、守屋孝、諸江昭雄 以上12名
~秋季東京六大学野球・早慶戦の応援~
東京六大学野球秋季リーグ戦最終の早慶戦優勝の可能性は慶大と明大。慶大が連勝するなれば勝率で明大を抜き優勝、一敗するなれば明大の優勝、我が早稲田も3季ぶり勝点奪取を期待する一戦。 当日は22号台風が近づき試合が実施されるかどうか天気が心配。午前10時にはJR信濃駅に全員集合済、少雨降る中、学生達の発行した早稲田スポーツ新聞を買い求め、球場入口に到着。応援部に挨拶し応援用具を買い、学生席に案内される。既に学生席も満員、いよいよ恒例の応援合戦が始まる。チアリーダ-チェッカーズの華麗なる演技等、又グリーグラブの「紺碧の空」合唱大いに盛り上がる。応援席最上段より校旗入場、エール交換後、午後1時慶応先攻、早稲田後攻。ピッチャー慶応は1年生関根智輝(城東高)早稲田は小島和哉(浦和学院)にて試合開始。1回表ワンアウト後三連続四球にて満塁後5番打者清水翔大(桐蔭学園)の二塁打で2点先制される。三塁側慶応応援席より応援歌「若き血」が怒濤のごとく響き渡る。その裏早稲田もワンアウト満塁絶好のチャンスに5番打者宇都口滉(滝川)セカンドゴロにて1点を返す。我が早稲田応援席も肩組み応援歌「紺碧の空」を声高らかに歌う。2回裏、3回裏も二塁打を含む走者を出すもあと一本の適打が出ず相手1年生2人投手に踏ん張られ1対2にて敗戦。2回戦を落とすようならば東大と勝点、勝率で並び、1947年秋以来70年ぶり最下位が決まる。試合終了後も少雨の為親睦会を中止し風雨が強くならないうちに帰路につく。(高原 孝記)
参加者(敬称略あ順)柴田親宏、高原孝、仲野綾子、松原邦博、守屋孝、吉野治郎 以上6名
~関東大学ラグビー対抗戦・早慶戦の応援~
11月23日、快晴のもと秩父宮ラグビー場で14時6分にキックオフ。前半戦序盤は互いにエリア獲得を狙い、キックの応酬が続いた。ともに決定的なチャンスをなかなかつくれずにいたが、前半13分、慶応は連続攻撃で早大ゴール前に迫る。ラックをつくり、出たボールをSH江崎が右中間に押さえて先制トライ。SO古田のゴールも決まり、7点をリード。 早稲田は16分、SH斎藤(桐蔭学園卒スポ科2年)がPGを返し、3-7。36分にも斎藤の2本目のPGで1点差に詰めた。前半は7-6と慶応リードで終了した。 後半7分。慶応はホールディングの反則。40メートルの長いPGを斎藤が決め、早稲田が9-7と逆転した。慶応も11分、早稲田ゴール前ラインアウトをモールにして押し込み、FL中村が突出してトライ。ゴールも成功し、14-9と再逆転した。さらに24分と連続トライ。ゴールも決まり21-9とリードを広げた。早稲田はここから反撃。まず28分、慶応陣深くで連続攻撃を仕掛け、最後はFL佐藤(東京本郷卒スポ科3年)がトライ。32分には自陣からテンポを上げつなぎ、70m近く前進してLO加藤(秋田工卒スポ科4年)が同点トライ。SH斎藤がゴールを決め23-21と再々逆転。終盤の猛攻で勝利をもぎとった。 その後横浜稲門会のメンバーともども祝勝会を行い散会した。(松原邦博記)
参加者 坂木文雄、片岡冬里、高原孝、仲野綾子、松原邦博、諸江昭雄。以上6名
~2018年・箱根駅伝応援の案内~
新春恒例の箱根駅伝は、正月二日例年通り往路「華の二区」権太坂上で応援します。素質あるメンバーが揃い、上位争いのレース展開を期待しています。 日 時: 平成30年1月2日(火)午前7時40分(時間厳守) 集 合:旧春秋会事務局(JR桜木町下車・徒歩5分) 参加申込は春秋会事務局または幹事高原携帯 090-4948-7309まで
~第16回梓立祭のご案内~
宿毛市観光協会専務理事の石原光訓氏(2011政経)から、標題につき、平成30年3月4日(土)開催とのご案内をいただきました。当日午後に小野梓先生の墓参や献花ののち講演会があり、夜は秋沢ホテルにて懇親会という段取りになります。詳細は、メールアドレスお持ちの会員にお知らせいたしますが、お持ちでない方は鴛海(携帯090-4396-1596)までご連絡下さい。締め切りは12月20日までに鴛海まで。 なお、梓立祭(シリツサイ)は、高知県宿毛(スクモ)出身で早稲田大学建学の母と称される小野梓先生の研究をとおして、教育・文化・芸術の向上と宿毛市発展に寄与することを目的として設立された梓会が主催するもので、昨年は当会から奥島隆康名誉顧問、鴛海量良会長代行、片岡冬里副幹事長が参加いたしました。現時点では次回は鴛海量良、片岡冬里、寺内清高会員が参加予定です。日程は平成30年3月3日(土)から5日(月)までの2泊3日を予定しています。ご興味のある方は是非どうぞ(鴛海量良 記)
~2018春の墓参会の案内~
恒例の春の墓参会は護国寺の大隈先生と、谷中霊園の小野梓先生、石橋湛山先生の墓参です。 日 時: 平成30年3月31日(土)午前10時30分 集 合:音羽護国寺前の交番脇 会 費:1000円(花代、線香代、電池、交通費)昼食は各自ご負担でお願いします。
~権田酒造見学ツアーを企画しています~
埼玉県熊谷市の銘酒「直実」の蔵元である、権田酒造見学ツアーを寺内清高会員のご厚意のもと、諸江昭雄幹事長が企画中です。 平成30年2月から4月の土曜日、最少催行人数30名、会費は5000円の予定です。 なお、権田酒造までの交通費は各自負担です。 正式なご案内は、後日、諸江昭雄幹事長よりメールにてご案内予定です。
~早稲田アリーナ募金に対するアンケート結果について~
春秋会として早稲田アリーナ-募金(50万円)を行うかどうかの会員の皆さまからのアンケートの集計結果は次のとおりとなりました。 早稲田アリーナ募金アンケート(平成29年10月11日集計)
賛成 92 人、反対 3 人、白紙 18 人、 不明 9 人(メールによる返信等、ハガキでないもの) 合計 122 人 この結果を踏まえて、平成30年の第122回総会において予算案として上程し、早稲田アリーナ-募金の承認を得る予定です。(鴛海量良 記)
~新入会員のご紹介です~
前号発行以降、次の6名の方が入会されました。 (敬称略あ順)大野正道、鈴木徹、寺﨑敬市、名塚章一、福富一平、松本賢悟
~会員の近況・返信のハガキから~
会員皆様の近況やお知らせをほんの一部ですが、紙面の許す限り紹介させていただきます。 青木宏衛・足腰の老化のせいか足元がおぼつかないので、なるべく出歩くのを控えています。 小川徹・皮膚科医の小川徹です。今、ロサンゼルスにおります。UCデービス→ロンドン大学セントトーマス病院→UCLAと、専門分野で国際経験を積んでいます。 川崎大八・健康が戻るように心がけています。思わぬ大病を患いました。 黒瀬笑子・腰を痛めてしまい歩行が難しいです。 小高俊久・一日2万歩以上歩いています。体が調子よく感じます。 戸塚孝吉・祝135周年(開校)。歩行に難があり申し訳ありませんが欠席とします。 古川淳一・認知症患者と難病患者あってなかなか出席出来ませんが、盛会をお祈り致します。 松崎 淳・高齢、福祉施設の自治体監査を強化する政策提言を行っています。 南 隆・小旅行のため秋季大会は欠席します。リハビリの成果が出ており喜んでいます。 宮沢昭四郎・腰痛で通院加療中です。家内と結婚して60年目、まもなくダイヤモンド婚式を迎えます。
~29年度分会費納入者~
平成29年4月1日から11月30日までに納入された方です。(敬称略あ順) 青木宏衛、青葉ひかる、赤間礼子、浅井潤、浅賀達也、浅田宗良、雨宮正英、安藤良男、安楽明郎、石井精二郎、石川洋三、石澤一郎、石田明人、石田菊香、和泉喜兀、伊藤哲子、伊東幹雄、猪瀬敏彦、今井信夫、岩間正春、上野竜造、薄井好雄、梅原俊治、海老沢勝二、大石和礼、大久保尚節、大隅乙郎、太田武志、太田利雄、小川徹、鴛海量良、小野沢純一、小野寺敏、柿沼隆、笠間裕、片岡冬里、片岡寛光、片山留偉、勝山宏則、加藤暢之、加藤善高、門脇功洋、金子博人、川崎大八、菊地一郎、岸田正和、黒瀬笑子、小亀輝雄、輿水敦、小高俊久、小太刀昌雄、小林聖子、小針侑起、後藤臣彦、齋藤徹也、坂井俊一、坂木文雄、櫻井正三、佐藤裕彦、山藤卓、椎原大典、重満武和、実松靖之、篠原豪、篠原哲、柴田親宏、島崎健司、島田一志、島田實、新宮清志、鈴木昱生、鈴木宏治、鈴木徹、鈴木敏雄、鈴木康之、関雅行、関廣義、高橋弘、高原孝、高山博光、瀧口順子、武田淳史、田坂忠俊、田中寿三郎、土倉享一、出川達郎、手塚善雄、寺内清高、寺﨑敬市、遠井信久、戸塚孝吉、友納あけみ、中尾公一、中川幹雄、中里隆、中澤宏則、中島久子、中島ヨシ子、中西新一、中西剛、中根康雄、中野正規、中村哲三、南雲靖夫、名塚章一、並木隆史、成瀬晴代、西原春夫、西村尚貴、西脇久夫、野中信男、長谷川弘、幡野日出夫、原田種久、坂東能道、樋高剛、廣本敦、深井伸治、福富一平、藤井裕久、古川淳一、正岡文人、松浦悠子、松崎淳、松島和夫、松原邦博、松本賢悟、南蓁誼、南隆、南丘喜八郎、宮沢昭四郎、村岡達朗、村田光平、村原正隆、本村賢太郎、森忠大、守屋孝、諸江昭雄、安井緑、山口光朗、山口雄次、山崎大介、山下政行、山田榮、山平匡人、吉田富康、横山恭造、横山重文、若林和茂、渡部恒三、渡部眞之助
ご冥福をお祈り申し上げます
去る10月21日、早稲田大学元総長にて春秋会元名誉会長をお務めいただいた、清水 司先生(享年92歳)がご逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
~よろしくお願いします~
春秋会だより120号から編集を、大石和礼事務局長から齋藤徹也副事務局長が引継ぎました。
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