昨年2017年の丁度今頃、1月21日にピアニスト横山幸雄のデビュー25周年記念リサイタルが有りました。
横山幸雄は1990年に19歳でショパンコンクール第3位入賞を始め、数々のコンクールで入賞した輝かしい経歴だけではなく、
2010年にはショパンの全166曲を連続16時間で弾きギネスに認定され、翌2011年には未発表曲も含めた全212曲を連続18時間で暗譜演奏し、ギネス記録を更新しました。
これだけでも十分過ぎるほど超人的なのですが、ここ数年はラヴェル・ドビュシー・リストのそれぞれ全曲演奏や、ベートーベンのソナタ全曲も暗譜し、協奏曲全5曲を一日で演奏したり、ショパンの協奏曲2曲とラフマニノフ協奏曲2曲の計4曲を一日で演奏する等、超人的超天才的な才能は本当に信じられない事です。
レパートリーは更に、モーツァルト・シューマン・シューベルトと、留まるところを知りません。
世の中には様々な天才がいますが、
横山幸雄はピアノに於いてかように天才中の天才と言えるピアニストで有りながら、必ずしも世界的に十分評価されているようには見えません。
別の意味で天才である盲目のピアニスト辻井伸行の東京でのコンサートはほぼ一日で完売する一方、横山幸雄の場合はいつも空席が目立つ状況です。
この理由は色々有るかと思いますが、世界中の誰も弾けないほど余りにも多数の曲を弾き過ぎるため、ややもすると繊細さに欠ける時が有ったり、又その驚異的才能を嫉まれたりする面も有るのでしょうか。
それにもめげず彼は自ら様々にプロデュースして25年間精力的に演奏活動をしてきました。
その25周年記念リサイタルの最後の曲が、リスト編曲のスペイン狂詩曲でした。
この曲は国内コンクルールでも弾く人はいますが、難曲故か演奏会や録音で取り上げるピアニストは少なく、ラザール・ベルマンの録音が有名な程度です。
しかしベルマンのただただ暑苦しい演奏と違い、横山幸雄の演奏は終始洗練されたピアニズムが迸り、
ピアノで弾いてるとは思えないような驚異的なテクニックを駆使し、一点の曇りもない鮮やかさでリストの真髄を具現した、これこそ正に後にも先にも世界一の圧巻の名演だと思います。
音楽の好きな方には是非お聴き頂きたいと思い、MP3ファイルをUPします。
サントリーホール最後列でデジカメで録画したMP4をMP3にコピーした音源なので、音質が悪い点はご容赦下さい。(本来禁止ですが1年で時効!)
https://yahoo.jp/box/DcFNBq横山幸雄についてもう少し触れますと、
彼は2011年から毎年5月連休にショパンの長時間演奏会を開催してきました。
今年は2018年5月5日(土)にオペラシティコンサートホールで、朝の10時から夜の10時まで7部構成で、6回の休憩を挟んで合計12時間と言う長丁場です。
通し券が10,000円、各部券は3,500円ですから、一日中通して聴けば超割安!
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b1892762又、彼は自らレストラン・ペガソを経営し、毎月ランチコンサート・ディナーコンサートを行っています。
間近で世界的ピアニストの演奏を聴くことが出来る稀な機会でも有るので、知人やご家族でランチorディナーコンサートを楽しむのも一興かと思います。
http://www.pegaso.jp/newsevent/こう書いて来ると、私が彼の大ファンなのかと思われそうですが、特にそう言う訳では有りせん。
天才中の天才が適正に評価されてないのは理不尽であると思ってるだけで、
私自身はケンプとユジャ・ワンのファンですから。両極端の二人ですがw