3月1日から2日にかけて、爆弾低気圧が日本海を北上するという予報。2月28日は嵐の前の貴重な晴れ間なので、ちょっと出かけてみました。
早春の花がいち早く見られる旧八幡(やわた)町の八森公園です。八幡神社の裏手の八森山の自然公園です。野球場の駐車場に車を停め、雪をかきわけて山道を登ります。カンジキを用意しておくべきでした。堅雪とはいえ、膝までもぐるところもありました。
結局、オウレンやスミレ、イチゲなどが咲くポイントは、まだまだ雪に覆われていて、例年通り4月を待つしかなさそうでした。
しかし本当の狙いは別にありました。マンサクです。実は、2月に入ってすぐに、鶴岡でマンサクが咲いたという情報を得ていたのです。公園の「植物園」と呼ばれる地区に行ってみます。ここも雪が深く、散歩?する人によって踏み固められた小径が続いています。その小径から別れて踏み込んだ深い足跡が続く先に、目的のマンサクの木があるのです。足跡は、すでにチェックに来た人がいるということです。期待が持てるかも……。
そして期待通り、マンサクは咲き始めていました。
アカバナマンサクの方は、まだ花びらが伸びていませんが、黄色い方はマンサクらしいリボンのような花びらを伸ばしているものもありました。
アジア各地で好まれるという日本の歌「北国の春」は、「しらかば~あおぞ~ら……」と歌い出しますが、白樺は東北では馴染みの薄い木です。是非こう改めるべきでしょう。「まんさく~あおぞ~ら」と。
ところで、朝夕散歩している「万里の松原」の一本の巨木が、去年の夏、根本近くから急におがくずのような木くずを吐き出しました。隣の木も秋になると、葉が茶色く枯れました。「松枯れ病」です。森林局のパトロールの人が、この2本を含めた数本に黄色いテープを巻いていきました。要伐採という意味なのでしょう。
木の伐採の季節は冬。それが松枯れにとって都合がいいのか、伝統的に(気が休眠状態になっている、雪がある方が運びやすいなど?)そうだからなのかはわかりませんが、冬になるまで手をつけることはありませんでした。
そして先日ようやく伐採しました。例の木くずを吐き出した巨木がこれです。カミキリムシのトンネルが無数にあります。
松枯れの原因はマツクイムシによるものですが、マツクイムシとは、松を枯死させるマツノザイセンチュウという線虫と、それを媒介するマツノマダラカミキリを総称する言い方だそうです。このトンネルはそとに向かっていますから、カミキリは既に羽化したのでしょう。
山形県としては松枯れの勢いは弱まっているというのですが、この森を見る限り勢いが増加しているように見えます。弱って倒れそうになっていたり、倒れている若木がたくさんあるのです。倒れかかって他の木にもたれている危険な木も数多くあるのです。
以前は殺虫剤を空中散布していたようですが、環境や人体への害への懸念からやめているはずです。こまめな伐採と、健康な樹の幹に薬液を注入するという手のかかる方法しかなさそうなのが、もどかしい限りです。