財務大臣は、人間には賢いエリートと愚かな一般大衆２種類あって、自分はもちろんエリートに属するのだと本気で思っておられるらしい。吉田茂の孫だというその財務大臣が会見を行う様子をテレビで見る機会が増えた。先日、途中から見たその場面では、いつものように記者を見下すような態度だったのだが、最後にダメ押しのように発表文を読み上げていた。そこで彼は、確かに「ユウム」と言ったのだった。文脈上、それは「有無」のはずだったのだが。
　やっちまったね。総理大臣だったとき、「未曾有」を「ミゾユウ」と言って失笑をかったことで話題になったのだが、全く反省していないらしい。いや「エリートは昔からミゾユウと言うのだ」などとと開き直るかも。
　昨日の「森友文書の改竄問題」についての会見もひどいものだった。NHKは画面の右上に「財務大臣、陳謝」という赤字のタイトルが掲げてあったのだが、陳謝という態度では全くなかった。これも途中から見たので、冒頭で陳謝する場面があったのかもしれないが、ぼくが見た場面はやはり開き直り「俺は悪くねえんだ」という態度だった。「悪いのは佐川の野郎さ」と。納得するまで質問を続ける東京新聞の話題の記者、望月衣塑子氏に嫌味まで言ってのけた。その姿と「陳謝」の文字が、ブラックジョークのようで背すじが寒かった。
　今朝の朝日新聞（総理の天敵らしいあの朝日新聞）のコラム「天声人語」が「ダ―ティハンド」について書いていたのだが、最後に「森友問題」を「未曾有の不祥事」と書いていた。そしてなぜか「未曾有」にだけ「みぞう」とルビが振ってあったっけ。イヤミだねえ。エリートというのは、人間の心を持たない宇宙人のことなのだろうか。