「李下に冠を正さず＝スモモ畑で冠を直してはいけない」とは、不正をしていなくても、それを疑われるようなことをするなという意味です。利害関係にある者同士が食事を奢られるのは、そもそもしてはならないことなのであって、スモモ畑でスモモを盗むことにほかなりません。総理大臣が、国家戦略特区に参入しようとしている人物と会食することが「李下に冠を正す」ことで、当然自粛すべきでした。そのうえ費用を出してもらったのは、一線を越えたということです。それを、「誤解を招くようなことをしたことを反省」というのは、彼が得意とする「印象操作」ですね。
　問題になっている日大アメフト部の暴力問題では、監督が被害者に直接謝罪していないということも問題とされました。（なお、この謝罪問題でも、NHKは「謝罪することで調整中」と報道しています。『調整』という言葉の意味がわからなくなってきました。）
　麻生財務相は、セクハラ問題で上司としての責任を問われ「テレ朝に謝罪するように指示している」と言っていました。部下に謝罪させるのを謝罪というのか、それも被害者本人への謝罪は忘れている、いや「嵌められた」という意識があるから意図的に本人に謝罪しないつもりなのか。とにかくお坊ちゃまたちには、世間の常識がまるでないということがよく分かる今日このごろですね。