「銀の竜の背に乗って」というのは中島みゆきの歌ですが、同じ名を持つ「銀龍草=ギンリョウソウ」が見たくて鳥海山に行きました。6月の下旬くらいの、雪が解けて半月ほどのブナ林の中に、ギンリョウソウは落ち葉を押しのけて顔を出します。色素も葉緑素もない半透明な白い姿。竜というより、チェスの駒のようにも見えます。背に乗るのは無理かな?
ギンリョウソウ
地上に現れるのは花だけで、花の中には青い目のようなものが見えます。雄しべかなにからしいのですが。森の中の銀の竜は青いひとつ目のモンスターというわけです。
この日(6月26日)、八幡ルートの五合目?滝の小屋駐車場まで行ってみたのですが、消防隊、警察官が大勢いて、緊迫した雰囲気でした。ヘリコプターも出動しています。
実は、23日に、鳥海ブルーラインの鉾立からのルートで、賽の河原という6合目か7合目まで行きました。翌日ニュースで、その日、東京からの登山客が登って、予定日に帰ってこないという届けがあったと報道していました。報道は県内ニュースで一度だけでしたが、その捜索が続いているのではないかと思いました。明日から天気が荒れるという予報ですから、どうしても今日中に発見しなくてはならないのでしょう。
一人の遭難でも、どれだけ多くの人や資材が捜索に関わるのか、改めて気づかされます。
実は私たちは、前の週の16日にチャレンジしたのですが、ガス(濃霧)がひどくて断念したのでした。近所に住んでいる強みで、いつでも登れるから諦めるのも気楽なのです。
100名山ブームの功罪というか、鳥海山にも県外から多くの人が訪れるようになりましたが、ツアーのスケジュール優先で無理な強行軍や、5合目駐車場からすぐそこに頂上が見えて、甘く見てしまうとか、傍目にも不安になるような登山客を見かけます。(東北の山はアルプスほど高くないこと、東北への蔑視から山もたいしたことがないと思ってしまうのか。)
話は変わります。その鉾立で、レストハウスの倉庫の屋根で、気になる鳥がいました。家の図鑑を総動員しましたが、種類がわかりません。どなたかわかったら教えていただきたいのです。
謎の鳥
山道で出会った地味な蝶が、人間の周りを回るように飛び、帽子にとまったり肩にとまったりして、虫の嫌いな人は別として、なんだろうこの蝶の人懐こさは?と思うことがあります。そんな蝶のひとつがこのキマダラヒカゲです。
キマダラヒカゲ
以前は1種だと思われていたのが、実は2種あるとわかり、ヤマキマダラヒカゲとサトキマダラヒカゲに分けられたそうですが、ぼくにはその区別はできません。山で出会ったからヤマキマダラ……の方かなあと思うだけですが。
地味ながら翅裏の模様はなかなか斬新だと思います。(図鑑には翅裏の図がないことがあって、裏しか見せてくれない蝶は同定がむずかしくて困ります。)