海外の日本人学校から異動してきた同僚が幹事となって懇親会を開いた時のこと。職場の近くに台湾家庭料理の店があるのを見つけてきました。店は「チャポリン」というかわいい名前です。聞けばオーナーが林(リン)さんの茶舗という店名だったのですが。
そこで金針菜の炒めものが出されてファンになりました。
金針菜とは、ふつうは中華街などで食材として売られている乾物で、ヤブカンゾウという植物の咲きかけの蕾を乾燥させたものだとか。でも、チャポリンの金針菜は生の蕾が使われていて、咲きかけていない緑のまま。ほんのりと甘みがありました。
ヤブカンゾウは空き地や道端でオレンジ色の八重咲きの花を咲かせます。よく似た単がノカンゾウ。カンゾウは萱草と書き「わすれぐさ」とも言います。仲間にはユウスゲもあります。おそらくどれも金針菜になるはずです。実は高山植物のニッコウキスゲ、酒田市の離島飛島に自生するトビシマカンゾウなども同様でしょう。
ここ酒田、いや庄内地方にももちろんヤブカンゾウはあるのですが、たいてい集落の中や畑のへりなどにあるので採集がしにくく、見つけても指をくわえて見守るだけ。
中華街の青果店なら季節になるとパックで売っているのになあ。
もし生の金針菜を入手できたら、おすすめしたいのは、鶏の胸肉と炒める料理です。カシュウナッツなどを加えてもいいかな。味付けはさっぱりめ、オイスターソースと紹興酒程度でいいと思います。最後は塩で調整を。五香粉とか八角を使うとさらに中華っぽくなりますが、そこはお好みで。
ちなみに今日、土門拳記念館のある公園で見つけたカンゾウ。単なのでノカンゾウなのかトビシマカンゾウなのか、はたまたガーデニング用の外国産のカンゾウなのか?蕾、つまり金針菜がおいしそうです。