これなあんだ?
台風25号が通ったあとの森で見つけた奇妙な物体。白い妖怪か?
ヤマブシタケというキノコらしい。そうなら道の駅などで売っていることもある珍味。山伏の袈裟についているまるいポンポンのような形。
味わってみたいけど、まちがえていたらこわいし。野生のキノコは食べないという決意にも反するし。がまんしよう、野生がまんだ。
なんてダジャレを言ってる場合ではない。我が家で大事件が起きたのだ。始まりは我が家のビーグル犬、老犬ハッチが倒れたことだった。クレートの中で泡を吐き激しく痙攣している。痙攣はしばらくして収まったが意識を失っている。抱き上げて病院に直行する。実は前日も病院に連れて行っている。尻の周りがただれていて痛そうだったので連れていき、抗生剤と化膿止めをもらっている。その副作用を疑ったのだが可能性は低いという。高齢の犬がてんかん発作を起こすことはままあるという。発作の時間が長いと危険だという。
トランキライザーを注射してもらい、発作が長く続く時のための座薬をもらって帰った。
本人、いや本犬は機嫌もよく帰宅し、我々は彼を置いて月に一度の持病の検診に向かう。
昼過ぎに帰宅し、朝食の準備で冷蔵庫を開けた。きつい匂いがした。そういえば今朝も冷蔵庫がおかしかった。庫内の照明が消えていたり、音が異様に大きく聞こえていた。しかし今、照明は灯っているし音も静かだ。だが、今朝も感じていた匂いが強くなっているような気がする。
すると突然、足元のガス検知器が鳴りだした。冷蔵庫の隣にあるガスレンジのために設置してある検知器だ。「やはり」と思った。匂いのもとが冷蔵庫のガス漏れかもしれないとどこかで思っていたのだ。
検知器のプラグを抜いてしばらくオロオロするが、こんなときのために、時々来てもらっていた町の電気屋さんの若者ガンちゃんに連絡すると、夕方には来てくれた。
専門の検知器で間違いなく冷媒ガスが漏れていると確認する。近くで火を使うことは危険であり、猛毒ではなくても人体に有害だとのことだった。
とりあえずこの冷蔵庫は運び出し、店の展示品がサイズ的にぴったりだったのでそれと買い換えることに。それができなければ犬とともに避難しなければならないところだった。
それにしても、すぐに動いてもらえるかかりつけ(?)の町の電気屋さんがあってよかった。大型量販店なら即応してはもらえなかっただろうと胸をなでおろした。
冷静になって考えると、ハッチの発作はガスによる中毒症状だったのではないだろうか。冷蔵庫の後ろにはナントカベンゼン(ブタンだったか?)と書いてあったような気がするのだが。もっと化学を勉強しておくべきだったなあ。ベンゼンって発がん性や白血病の原因になるんじゃなかったか?
実は前日の晩からクレートの中で落ち着かずにウロウロし、ちょっと留守にした時には遠吠えのような鳴き声をあげていたのだった。クレートをあけると、ドアに取りつけてあった水入れが外れていて、失禁もしているようだったし。犬のなかでも特に優れているというビーグル犬の鼻は、すでに危険がガスを感知していたのではないだろうか。(日ごろ、ビーグルのくせに鼻が効かないやつだなあなんて馬鹿にしてわるかったよ。)
まずハッチが反応し、翌朝人間の鼻が異臭を感知、最後にガス検知器が警報を鳴らした形だ。気がついてよかった。一家全滅していたかもしれないではないか。
ハッチには「カナリヤ賞」をやることにしよう。少なくとも今まで以上にやさしくしてやらねば。
あ、もちろん電気屋のガンちゃん、いつもありがとう!今回は本当に助けてもらいました。