混迷を深める世界を前にして(所感)
混迷を深める世界を前にして所感をお届けいたします。 世界的規模に拡大した倫理の欠如は目に余ります。 「不道徳の全方位の破壊力」は、時間はかかるが必ず天罰はくだされるという老子の警告を補強するもので、野蛮な国々・人々にいつかはこれが及ぶと思われます。これが天地の摂理であり歴史の法則です。 今後文明論が活発化することが予見されます。 内外で展示会が開催され再評価されだした縄文文化は日本の母性文化の源泉であり、一神教の父性文化が確実にもたらしつつある破局の回避に貢献しうると確信いたします。1万5千年の縄文文明が残した誇るべき遺産への国際的理解の促進は、その実現が急がれる父性文明から母性文明への転換の見地からも評価されます。 「不道徳東京五輪」の今後についての有力な見通しは、福島での天災で重大な支障が生じる、有力な国々の首脳、有名な選手等によるボイコットの動きが盛り上がるなどにより、結局は返上を余儀なくされるというものです。在トルコのサウディアラビア総領事館で発生した残忍な大事件は関係国やその指導者の将来を確実に左右することでしょう。時間はかかるにせよ「不道徳の全方位の破壊力」を見せつけられることでしょう。 「不道徳の全方位の破壊力」は最強の権力の最大の敵は倫理・道徳であること、平家物語の「驕れる者久しからず」を想起させるものです。 「原子力の全方位の破壊力」についても同様です。しかし日本における原発過酷事故の再発は日本の将来に壊滅的影響を与えることから、未然に阻止しなければならない筈です。しかしながらこのような危機感が現在の日本には欠落しております。その証拠に、原発の安全については責任がないと公言する原子力規制委員会に原発再稼働を許可する権限を付与しているのです! 天災超大国である日本にそもそも原発の存在は許されないはずです。せめて、一刻も早くすべての再稼働を停止させるべきなのです。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。 村田光平 (元駐スイス大使)
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