木枯らしが吹くころの冬の匂いを思い出しています。乾いた冷たい季節風のためか、鼻の奥がキーンとするような痛みとともに感じる冬の匂いです。
低気圧や寒冷前線が通り過ぎると、一時的な冬型となって時雨が降りやすくなるのですが、時雨のあいまの太陽がのぞく瞬間に、そんな匂いを感じる一瞬があります。
17日、前線通過による雨があがって、雲の晴れ間から見えた鳥海山は雪の量がいきなり増えていました。先週の暖気で減っていたのに。夕日を映してピンクに染まる鳥海山を、自宅の窓から撮ってみました。アーベント・ロートというやつですね。
翌朝6時ごろの、これはモルゲン・ロートです。
これで最後になるかもしれないトレッキングへ、二の滝周辺まで。 昔、鳥海山の修験者が修行した川下から一の滝、二の滝、三の滝などの滝があります。滝は竜の生息する場所であり、竜そのものです。いや川そのものが竜神であると考えたのでしょう。修験者は、エミシが崇める火の山を竜神の力で抑えこもうとしたのでしょう。
これは三の滝ですが、手前に湾曲した木が見えます。世界一とも言われる豪雪が半年も覆っているようなところで、木は必死に雪の重みを受け止めているので、こんな形になります。急坂を登り降りするときに、樹の枝につかまっても、木はそのまま曲がってしまうので、頼りになりません。
この標識、初めて見てから何度か取り替えられたと思うのですが、いつ見ても大きな力でゆがめられています。これも雪の力なのか、はたまた熊が、俺はこんなに強いぞと力を誇示したのか?
サルトリイバラ。イバラといってもツル性のユリ科の植物です。鋭い棘が名前の由来?
人里に戻ると、そこは白井新田(遊佐町)。 海岸線が見える棚田の一本道。
振り返ると雪の鳥海山。