チコちゃんに叱られる?
12月15日、就寝前に雪の様子を見ようと窓を細めて見たら、雲に隙間があって星がまたたいていた。しばらく見とれていたら、スーッと星が縦に流れて消えた。双子座流星群だ。冬の雪国では見えないとあきらめていたのだが。しばらく見つめていて、もう一つ流れたところで窓を閉めた。その間約5分。 ところで、雪が激しく降る夜は外が妙に明るい。ぼくはこれを「冬の白夜」などと呼んだりするのだが、町の明かりが乱反射するためなのだろう。そういえば、餌場からねぐらに向かって低空を飛んでいく白鳥の家族も、町の光を反射して翼が燐光を発するかのように白く光っている。 その「白夜」や翼の反射が近ごろ急に明るさを増したのは、町の外灯が一斉にLEDに換えられたためらしい。電気代が白熱灯の8分の1、寿命が20倍というLEDは、ますます星が見えにくくなったことを除けば、ありがたい存在ではある。 ところでニュースによれば、冬になると各地でイルミネーションが盛んだそうだ。夢の世界のような豪華な光の饗宴は、LEDだそうである。冬限定ではないが建築物や花や紅葉の名所、名瀑などのライトアップというのも盛んらしい。 東日本大震災、そして福島第一原発の爆発事故以後のあの省エネムードとやらはどこに行ってしまったのだろう?エネルギーの節約になるLEDだからいいというのはどこかおかしくないだろうか。 震災の時、私たちが受けた被害はたった24時間足らずの停電だったのだが、それでも心に受けた衝撃と無力感は忘れられない。携帯ラジオを通して伝えられた被災の光景は、映像を伴わない分、かえって脳細胞に深く刻み込まれたのかもしれない。 生地である福島県双葉町が、誇りを持って誘致した原発によって傷めつけられ再起不能になったことは、やはり原発と人類は共存できないのだと改めて証明した。 「今こそすべての日本人に問います。光のページェントだのルミナリエだのとノーテンキに浮かれていると、『だからこそ原発の再稼働は必要なのだ』などという囁きにコロっとだまされてしまいますよ。」という声が聞こえてきそうだ。ボーッと生きてんじゃねえよ! あ、いや自分にカツを入れたまでですって。
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