2018年も大詰めですがギリギリ今更の2017年振り返りとなりました。
昨年、何十年振りかで金沢に行き、予て行きたかった「金沢ふるさと偉人館」を見て来ました。
金沢に行ったことの有る人は多いにしても、東京からこの偉人館に行ったことがある人は殆どいないのではないかと思います。なんせ金沢市の観光名所266件中104位とマイナーなので、余程興味が無ければ検討対象にすらならないでしょうから。
https://www.kanazawa-museum.jp/ijin/偉人館には平成5年開館当初の顕彰は5人でその後順次8回追加され、現在は金沢出身の偉人達27人が展示されています。
私の観覧目的は、鈴木大拙や西田幾多郎と共に金沢の三羽烏と言われ、東京での教育者として評価された山本良吉の展示を見る事でした。
鼎談:左から鈴木大拙 西田幾多郎 右端が山本良吉:月刊誌禅文化135号より
展示は6つのジャンルに別れ、山本良吉は「明治三年の奇跡」と言うジャンルに展示されています。
http://www.yorumasshi.com/introduction/ijin/山本良吉は故正田英三郎や根津財閥の故根津嘉一郎らと共に旧制武蔵高等学校を創立した人です。
旧制武蔵高等学校は当初中高一貫教育の七年制学校で、八年間掛かる一中一高コースと張り合う進学校として、昭和の前半までは卒業生のほぼ全員が東大に合格する進学校でした。その後大学も併設され、武蔵学園と称しています。
武蔵高等学校は山本良吉の教えである、東西文化の融合、世界に雄飛する人物を造ること、自ら調べ自ら考える力を養うこと、を三理想として現在に受け継ぎ、ここで学んだ生徒の多くは、この教えを元に各界で活躍しています。
見学後学芸員の増山さんに色々お話しを伺い、又館長からは「山本良吉は鈴木大拙や西田幾多郎の思想に大きな影響を与え、三人のリーダーのような存在だった」と説明され、随分と持ち上げられたものです。
館長さん学芸員さんと 後ろは湯川秀樹の書
偉人館の観覧券は単独でも300円と安価ですが、金沢市はこの偉人館を含め市内の文化施設17館の共通観覧券を510円と格安に設定していて、2か所観覧すれば元が取れることから、単独で観覧する人はまずいないと思います。
https://www.kanazawa-museum.jp/passport/index.html17館はそれぞれに特徴の有る施設なので好き好きですが、個人的には金箔工芸館や金沢蓄音機館をお勧めします。
蓄音機館ではホーンが1メートル以上もある超大型のものからエジソン蓄音機まで様々な珍しい蓄音機の音を聞くことが出来ます。
特に大型コンソール型の、SPレコードとは思えない音の良さには感動したものです。
今回往きは飛行機で行ったので、小松空港の至近に勧進帳で有名な安宅の関跡が有る事を初めて知りました。もし行かれる方は安宅神社の巫女の昇殿営業に引っ掛らないようご注意をw
ついでに少し足を延ばして自殺の名所東尋坊にも行ってみました。断崖絶壁巨岩は正に圧巻で、柵もないのによく日常的に事故が起きないものだと思いました。
最後に、金沢駅の地下コンコースに最近流行りの駅ピアノが置いて有りました。音響とは全く無縁の場所にも拘わらず広い地下空間のせいか、そこらのホール等より遥かに良い音がするのでビックリしました。金沢駅に行く機会が有れば是非触れてみて下さい。
それにしても小学校で27年間も使用したとは思えない良い音のグランドピアノを廃棄するとは、金沢市も余裕ですね!