相川くんのおたずねに答え、今回の山陰旅行をレポートします。
山陰といわれても、東育ちから見るとイメージ的に鳥取県・島根県の違いさえ判然としませんでしたが、現地ではかなりのライバル意識があるみたいで。今回訪れたのは島根県それも出雲といわれる東部だけでしたが、現地に入ると大国主大神を祀る出雲大社と国宝松江城を擁し他とは違うんだというプライドがひしひしと伝わってきました。何しろ松江城に必ず国宝という冠が付きバス停まで「国宝松江城」と言うくらいです。資料によると3年前の2015年に国宝に指定されたばかりのようなのですが。
出雲大社
事前にガイドブックやネットで調べ、雪雲がたれる日本海や雪景色の庭園を期待したのですが、意外にも滞在した三日とも快晴で暖かくコートをぬいで歩くほどの陽気でした。
期待以上だったのが、安来市の足立美術館と中海の島にある由志園、どちらも手入の行き届いた日本庭園です。これまでに見た金沢の兼六園や岡山の後楽園、水戸の偕楽園に勝るとも劣らない完成された美しさを誇っていました。
足立美術館
足立美術館は名前の通り美術館でもあるので大半がガラス張りの回廊から一服の日本画を見るように配置され、その造形美は最たるものですが、展示されている横山大観や平山郁夫の絵画と競っているかのようで、観光客を意識した演出が人によっては鼻に付くかもしれません。
一方、由志園は松江駅から一時間に1本というバスで30分、しかも今回、乗客は行きは我々だけ、帰りも境港から乗ってきた乗客3名に我々だけというガラガラ状態、園内も先着していた観光バスが帰ってしまうと広い庭園に我々だけ。規模は足立美術館に比べて三分の一いやそれよりも狭いかも知れませんが、大半が直に庭園内を散策でき、枯山水の庭、苔むした庭、渓谷を模した流れなど飽きさせません。
時期的に諦めていた売りの一つボタンが、何と庭のあちこちの咲き誇っているのです。
整備の行き届いた空間を自由に間近に散策でき、時間や周りを気にせずにゆっくりと堪能できたのが何よりでした。
季節外れが功を奏したのかな。