ブラックアイスバーンに思うこと
この冬は強い寒波がやってきたかと思うと暖気もやってきて、雪が積もっては解け、積もっては解けという状態の繰り返しです。 昨夜からはこの冬最強の寒波というのがやってきました。今朝はさぞ雪がたくさん積もったことだろうと思ったら、雪はほとんどなく、その代わりすべてが凍結していました。昨日の日中降っていた雨に濡れたアスファルトは、そのまま凍って、いわゆるブラックアイスバーンの状態になっています。車の水滴もそのまま氷になっていました。
雪国の暮らしに雪かき(地方によって雪のけ、雪投げ、雪掘りなどとも言います。)は欠かせませんが、人によって様々なタイプがあって、人間観察の上で面白いかもしれません。もちろん筋肉労働ですから、頑張り過ぎると筋肉痛や腰痛の原因になってしまいますが。 しかし、隣近所がやっているのに、自分だけやらないのは世間体が悪いなあ、なんていう気配りも必要になってきますし、ほっとけば解けてしまうものに労力を使うのはなんか無駄な気がするし、という理不尽さも当然感じるわけです。 中には、一日中、いや深夜まで雪と格闘する人もいる。暖気が来て、路上の雪はほとんど消えているのに、所々に残っている、硬く凍結した雪の塊を退治しないと気がすまないのか、スコップで切り崩しています。コン、コンという金属音が響いていたら「ああ、まだやってるな」と感心というか、呆れるわけです。明日は寒波で吹雪になるという予報が出ている日、その日はほとんど雪などないのに、どこで見つけるのか雪退治のスコップの音が聞こえます。 ところで、本当は新聞などに投書したいけれど、実名が出れば近所の人を怒らせるかもしれないので我慢していることがあります。それは、自宅前の雪を路上に撒き散らすことです。もちろんよく晴れた日に、朝から雪を撒いておけば、太陽が溶かしてくれるでしょう。たくさん車が通ればそれも手伝ってくれるでしょう。晴れが続けば溶けた雪解け水も蒸発するでしょう。 しかし、蒸発しない水は夜中に凍ってしまうかもしれません。それこそブラックアイスバーンになり、気づかない歩行者や自転車、バイクが転倒しかねません。一人がやると、連鎖反応のように他の人がやります。 横浜でバイク通勤していたころ、珍しく雪が積もったあと、これをやる人がいるためにぼくはしばらくバイクに乗れませんでした。一度転倒してとても怖い目にあったからです。晴れるのが普通の関東地方でも、日陰では1周間も雪が消えないところがあり、そこから流れ出る水が早朝凍っていることもありました。 みんながやるからいいや、ではなく、どんなことが起こり得るか想像力を働かせて欲しいものです。
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