足が細り、転びやすくなってしまった老犬ハッチ。いよいよ終活かと覚悟したのですが、老犬用フードにはタンパク質が少ないことがわかり、タンパク質の多いフードに変えたり、おやつも肉系に変えたりしたら、かなり元気をとりもどしました。それでも散歩の距離は大幅に短くしました。これでは私たち人間の運動量が足りません。それで、犬は車に積んだクレートに入れて、二度目の散歩をすることにしています。
久しぶりに入る森の奥には、ふきのとう(庄内弁でバンケ)やセリ科のシャク(ノニンジン、ヤマニンジンとも)が顔を出し、食欲をそそります。アマドコロという山菜も角のような芽を出しています。
頭上では「ピキ、ピキ」という鳥の声。今にもさえずりたい鳥ののど慣らしなのでしょうか。
向こうからは「キョッキョッキョ」という声も。数年前から姿を消したオオタカの声です。おや、オオタカが帰ってきたぞと喜んでいたら、「ジェーッジェッ」としわがれた声が続きます。やれやれ、カケスのものまねだったようです。(ときたまこの森にやってくるカケスは、トビやノスリの声をまねます。カケスがまねる声は猛禽類が多いのでしょうか。でも以前初めて聞いたのは、ヒヨドリの声でした。本物のヒヨドリよりはるかに美声なのでかえって不気味で、正体がわかるまで怖ろしかったものです。
さきほどの「ピキ、ピキ」はやがて「キョロン、ツリ」という声になりました。高原の鳥アカハラです。
世間では春といえば条件反射のように「ウグイス」ばかりが話題になります。でも、ほとんどすべての野鳥は春の歌を歌うのです。まもなく夏鳥たちも到着するでしょう。この森は山が緑になるまでの間、夏鳥たちが過ごす「道の駅」でもあるのです。
鳥のさえずり、山菜……楽しみな季節の始まりです。里山の花も咲き始めたという噂です。
ところで、今週は高校の同期会で上京しました。古希の集いで最後にしようというのです。会場はサンプラザ、日帰りは無理なので宿泊は中野坂上のいつものホテルでした。
翌朝も、いつものように新宿までは歩きます。子どものころ、新宿に遊びに行ったころと同じです。あれから数十年、すっかり風景の変わってしまったなかで変わらないのが神田川にかかる淀橋です。といってもこの石だけが昔のままなのでしょう。むしろ昔より汚れが取れて白くなっているのは、高圧洗浄でもしたか、表面を研磨したのでしょうか?
サンプラザ、よどばし……横浜では教室の子どもたちが実在を信じなかった名前です。サンプラザは人の芸名。淀橋はカメラスーパーの名前だと言って。もう一つ、霧ヶ峰もそうでした。車山や白樺湖は知っているけれど、霧ヶ峰はエアコンの名だと言って。どれもぼくには懐かしい名前なのですが。
西新宿で見つけた小さな庭。一見無造作に植物が植え込んであるのはイギリス式なのかな?ここに差し込む光の半分は周りのビルの反射光です。