あれからというもの、つまりオオルリに今年2度目の遭遇をしてからというもの、そのあたりを通るたびにキョロキョロしています。するとやはり青い生き物に出会いました。
ルリタテハです。
近所の高校が増築される時に、一時的に駐車場になっていた場所なので、砂利が敷き詰められています。そこで石から石へとヒラヒラ飛ぶチョウを追いかけてみたら、ルリタテハだったというわけです。ご覧のように黒い蝶で、一筋の青い縞が鱗粉のせいで蛍光を発しているように見えます。
子どものころ遊んでいた原っぱが、実は空襲の焼け跡で、モンシロチョウとシジミチョウ意外に出会うことはほとんどありませんでした。だから、様々なチョウを見ると「こどものころに出会ったら、さぞ興奮しただろうな」と思います。そんな子ども時代の自分がいとしくなってしまうのです。でも分布域が北上中のツマグロヒョウモンは、まだこちらでは見かけませんが。
ルリタテハは、他のタテハチョウの仲間と同じように越冬するチョウなので、このチョウも冬眠から覚めたばかりなのかもしれません。食草のサルトリイバラの新芽が出始める今が、冬眠明けのルリタテハにとって活動の時期なのでしょう。(我が家の狭い庭のホトトギスにもこのチョウの幼虫=毛虫がつきます。終齢の幼虫を室内の飼育箱に招待して羽化させたいのですが、その前に隣に住む義理の叔母に退治されてしまいます……合掌。)
ところで昔は青と緑を区別せず「青」と言ったので、緑ではなくブルーなんだということを強調したい生き物にはルリ(瑠璃)と名づけのでしょう。オオルリ、コルリ、ルリビタキ、ルリコガネ……。光によって青にも緑にも見えるカワセミは、漢字で「翡翠」と書きます。宝石の「ひすい」と同じです。
先日のオオルリの写真を拡大してみたら、黒いと思った顔やくちばしが実は濃紺の色だとわかりました。そして頭と背中は水色です。つまり白い腹の部分以外は青一色。もしオオルリを絵に描くなら、藍色の絵の具一色を濃淡をつけるだけですみそうです。