海の消波ブロックに転落したのは弾薬を積んだトラック
今日、2019年5月26日(日曜日)早朝のNHKトップニュースは、予想される全国規模の猛暑に備えるようにという訴えだった。よかった、昨日来日したトランプ米大統領の動向についてだったら、NHKの見識を疑うところだった。ちかごろ政権寄りの露骨な姿勢が目立つNHKだが、さすがに命に関わる猛暑への備えを最初に訴えなければ、見識が問われるところだ。 などと思いながら、新聞を開いてぎょっとした。昨日、山形県の日本海沿岸を走る国道7号線が事故で通行止めになったことは、昨日の交通情報で知ってはいた。しかし、その事故の内容は……。 自衛隊の弾薬10トンを運んでいたトラックが追突事故を起こし、ガードレールを突き破って海岸に転落したというのだ。弾薬は広島県の江田島にある工場から、北海道白老の駐屯地に運ぶ途中だったという。弾薬には信管がついていないから爆発の危険はないというのだが。 この事故のニュース性は、かなり大きなものだとぼくには思える。日曜日でニュース番組が少なく、しかもトランプが安倍総理の接待で、朝からゴルフ、会食、相撲見物などを報道する必要があったからかもしれないが、どこでも報道していないようだった。(どこかで報道していたのなら申し訳ないが。) ぼくが事故を知った新聞だって、山形版の地方記事であって、それ以外に関連記事はない。他の地方や首都圏ではどう報道されているのかぜひ知りたいものだ。そして、事故を起こさなければ、このような危険なものが白昼堂々と運ばれているということも知らないままだっただろう事実に戦慄を覚える。 現場は鶴岡市の小波止(こばと)という地区だ。このあたりは山が海に迫っているところで、国道は海岸沿いに高架道路になっていたりする。海岸は岩場で、ウミネコの営巣地があり、車の行き交う路上にウミネコが浮かんでいたりする。また真冬には押し寄せた波が泡となって、空中をふわふわと飛ぶ現象が見られる。車が塩害を受けるだけでなく、視界が遮られて危険な場所でもある。 実は、3月に私たちの爺さんバンドが保育園の卒園式で演奏したのはこのすぐ近くだ。記事によれば、一時は防災無線で住民に避難が呼びかけられたという。 政府や防衛省としては大きな報道は避けたいところだろう。しかし、報道する側が沈黙しているのはなぜなのか、大いに気になるところだ。
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