散歩道のすぐ近くで「サクサクサク」という音。リスがクルミをかじる音です。あの子リスの兄弟のだれかが、地面のクルミ、たぶんお母さんが去年埋めておいたのでしょう、そのクルミをかじっているのでしょう。人が通るすぐ近くだということで、警戒心がない子どもだと想像できます。
静かに音のする木の周りをまわると、松の木の低い枝にいるのを見つけました。
やがて「あ、見つかった」とわかったらしい。そわそわし始めました。後ろを向いてなにかごそごそやっています。クルミを隠したのでしょう。
そして近くのタブノキに飛び移ったり、また松の幹に跳んだりして、そそくさと逃げていきました。「バイバーイ、なんにも隠してないからねー!」
ところで、木に登る写真を見て気がつきました。後ろ姿が人間っぽくないですか。人と他の哺乳類との違いの一つに、胴体を輪切りにした形が、人間は横長の楕円なのに、他の動物は縦長の楕円です。
しかし、このリスは人間のような背中ですね。筋肉まで見えるような気がします。樹上の生活をするために四肢の筋肉が特別な発達をし、その筋肉を支える骨格や体幹の形が変わったのではないでしょうか。ヒトも、直立歩行する以前の樹上生活時代(チンパンジーやゴリラなどと共通の祖先の時代?)、そのように進化したのではないか、などと想像してしまいました。
そうそう、もう一つ気になったこと。子ども時代はシマリスを飼っていたのですが、シマリスはこのリスよりも顔がキツネのようにとがっています。一方のリス(ホンドリスやエゾリス)は、フクロウのように顔が平たいのです。木にも登るけれど地下に巣を作り、地上で暮らすシマリスより、地上にもおりるけれど樹上で暮らすリスのほうが物を立体視する必要があるので、2つの目の視野が重なるように顔が平たくなったのではないかと常々思っているのですが?