ヘンゼルとグレーテルが森で迷子になって、見つけたお菓子の家をかじっているような、カリカリカリという音。ちょうど朝日がさしていて、まぶしくて見えないのですが、ふさふさのしっぽが逆光を受けているのが見える気がします。そこに焦点をあててシャッターを切ると、クルミをかじっているリスが写っていました。先日出会ったリスと同じ個体のようです。
さて、今日配られた酒田市の「市議会だより」に議会での質疑応答の要約が載っていました。中には、市の個人情報保護条例で制限されている若者の名簿を自衛隊に提出したことへの質問もありました。今までは閲覧だけで、自衛隊協力本部が写していたのに、本年度から提出したのは、先の総理大臣の発言と関わっているのでしょう。
また、私立焼酎学校での混合名簿導入についての質問もありました。このことついて書いてみました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
市の広報誌と共に、「市議会だより」が配られた。それによると、酒田市では、今年度男女混合名簿を導入している小学校は77.2%、中学校は14%だそうである。
かつて学校の名簿というのは男女別が普通だったわけだが、ぼくが勤めていた横浜市の中学校では、現在ほぼ100%混合名簿のはずである。こんなものは勢いであって、教職員の多くは「世の中の趨勢」を読む忖度人間なのである。(当初は否定的だった教員も、今では初めから賛成だったような顔をしている。あたかも、戦中は少国民教育を率先し、戦後は民主主義を唱えた教員の姿とも重なる姿だ。)
これは混合名簿とは言わないのだろうが、高校時代、年に一度掲示される、学力テストの50位以内の順位表は当然男女混合だった。生徒名簿では必ず男子が先なのに、この表ではトップから女子がずらりと並んでいるのだ。(当然ながら、ぼくは常に枠外だったのだが。)
男女別名簿では男子が先になっていることについて、男性の多くは気にならないのだがが、違和感や疑問を感じていたという女性は多いという。勤務していた中学校で、混合名簿の導入を検討した時も、女性教員からまずそのことが指摘された。
なぜ学校では男女別名簿なのか。考えてみると、男女別でないと困ることはほとんどないことに気がつく。テストの平均点を男女別に集計することに意味はあるのだろうか?
男女別に行われる授業、体育とか、当時なら技術家庭科(今は共修である。家庭は男女が共に営むものだからだ。)はどうする? 必要な教科だけ男女別名簿を用意すればよい。コンピュータのおかげで、今なら元になる名簿を作っておけば、男女別、クラス別などに瞬時に分けることも可能だ。
酒田市の中学校で導入率が低いのは、単に慣習に従っているからに過ぎないのだろう。異論を許さない保守的な職場が多いのだろうと想像できる。職員が自由に発言できない職場は、創造性に富んだ教育などできっこない。(ぼくは全国学力テストには否定的だが、山形県が平均を下回っている原因の一つは、そんな硬化した職場体質にあるのではないだろうか。)
ぼくもかつては、「タカが名簿」とタカをくくっていたのだが、自由と平等を謳う教育現場で、「たかが名簿」ひとつ変えられないのは情けない。「されど名簿」なのである。