とげのあるルリタテハの幼虫を、さらに1匹保護しました。それがサナギになった時、記憶違いに気がつきました。タテハチョウ科のサナギは、アゲハなどとは違って逆さになるのです。以前飼育したことがあったのに忘れていたのです。するとあの金と銀の輝きは、サナギが風に揺られるといっそう強調されることになり、きっと鳥を怯えさせるにちがいありません。
ところがこのサナギ、先日、心配なことが起こりました。まるで釣り上げられた魚のようにピクピクと体をひねり始めたのです。理由はわかりません。ネットで調べると、子どもたちの研究発表でしょうか、サナギがピクピクすることはあるようですが、そのようなサナギは羽化に失敗することがあるなどと書かれています。心配におなりました。
しかし今朝、サナギが透明になっていて、サナギがぶらさがっていた割りばしに黒いものがとまっています。無事に羽化できたのでした。
ただしいくぶん小柄であり、まだ翅がかわいていないのか、動きも鈍いようです。記念撮影して、自然に返しました。庭のツツジにとまっていた彼(彼女?)はしばらくすると姿を消したので、安全なところに行ったのだろうと信じたいと思います。
裏翅は完全に迷彩模様です。しかし、翅を拡げると……。
ところで、この蝶には足が2対(4本)しか見えません。これもタテハチョウ科の特徴で、3対あるはずの足のうち、前の一対が
別の器官になっているのだとか。顔を覆う面皰のようにみえるのがそれかもしれません。
年甲斐もなく興奮してしまいましたが、子どものころ、また大人になってからも先輩の理科の教員に教えられて蝶を羽化させたときの興奮を思い出します。多くの子どもたちにも経験させたいものです。きっと、自然への興味を深めるはずですから。