森の中の奇妙な穴
奇妙な穴
私たち2人と1匹が朝夕散歩する「森」は、日本沿岸の砂丘に植えられた松林の一部で、「万里の松原」などと呼ばれています。松原とはいいながら、過去何年も放置された結果雑木林に移行しつつあり、現在は雑木林として整備されているように見えます。樹齢100年と思われる松の古木には松枯れ病が蔓延し、伐採されて数を減らし、日当たりのよくなったところにさらに雑木が芽生え始めています。 その「松林」の一角に、デイキャンプ場があり、炊事場やテントが設営できる広場があります。その広場にちょっとした異変が起こりました。 それは小さな2つの穴です。 ここは、山形県名物の「芋煮会」が行われるところで、秋の休日など、家族、旧友、スポーツクラブなどの芋煮会が行われているようです。炊事場以外では火の使用は禁止されているのですが、バーベキューセットやコッヘル、素朴な焚火などを見ることもあります。 そんな場所の、細い松の木の根元に掘られた穴。最初は、芋煮会の子どもがいたずらで掘ったのだと思いました。ここは毎朝通る場所なので、いやでも目に入るのですが、穴が変化するのです。ある時は半ば埋まっている、またある時は動物の糞がある。そして、今朝は再び深く掘られています。道具を使ったような痕も、人の手や指の痕もありません。足跡も。 掘り出された土には消し炭、つまり燃え残りの焚き木の破片が混じっています。
だれが掘ったのか?
……探偵になったつもりで考えます。この燃え残りは、ここで火をたいた人が穴を掘って埋めたのに違いない。そして、そこには火に落ちて焦げてしまった肉も含まれていたか。あるるいは残った食材を一緒に埋めたかもしれない。 冬、雪の上に残る足跡から、このあたりはキツネやタヌキが徘徊する場所だとわかっています。例えばキツネがその食材の匂いを嗅ぎつけ、掘り出そうとしたのではないか? それはありえないことではないと思えてきました。そして、匂いがまだ残っていて、時々さらに掘り返すのではないか……と。 ここだからよかった、と思います。ここにはまさか熊はいないだろうから。(絶対とは言えません。カモシカが来たことはあるのですから。)熊なら、何度もやってきて、人とトラブルを起こすでしょうから。野山にごみを残さないというマナーは、命を守るためのマナーです。
野犬のニュース
山口犬で、野犬が増えているというニュースがあります。捨てられた犬が繁殖して増えているというのですが、画面で見ると、雑多なミックス犬ではなく、多くが日本犬の特徴の強い、大型、中型の犬たちのようです。互いに似ているので、親子や兄弟関係の犬ではないでしょうか。追いかけられたり、噛まれたりという被害が出ているそうです。問題なのは、この野犬に餌を与える人がいる、それも特定の個人ではなく、「この犬を救え」的なメッセージがSNSで拡散しているということです。
餌付けの問題
職業柄、修学旅行の引率で、時々奈良に行くことがありました。そして奈良公園のシカが年々狂暴になるのを見てきました。その原因は、名物のシカせんべいです。奈良のシカは野生動物ですから、本当は餌付けなどしないほうが良いのです。シカせんべいの業者には酷な言い方かもしれませんが、食べる心配のないシカは、数も増えているし、人は食べ物を与えてくれる存在です。感謝などするはずがない。昔は手で触れることもできたシカが、今ではせんべいをくれない相手を威嚇し、追いかけてきたり、人を攻撃さえするようになってしまったのです。
野犬はオオカミより危険!
野犬は野生のオオカミより恐ろしいと聞いたことがあります。オオカミは本能的に人を恐れるので人を襲わないけれど、人と暮らして人を恐れなくなった犬は、野生化すると人を襲うことがあるのだそうです。確かに野犬が多くいた時代、野犬に噛まれて怪我したり死んだりする事件がありました。 これまで人目を避けてこそこそ暮らしていた野犬に餌付けをしたら、食べ物を手に入れるために大胆に人に近づこうとするはずです。シカでさえ人を攻撃します。野犬が集団で人を攻撃するとどんなことが起こりうるか、ぜひ想像してもらいたいと思うのです。早いうちに餌付けをやめ、野犬を捕獲しないと、とんでもないことになると思います。間違った正義感で餌を与えるあなたは、責任がとれますか?
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