朝、玄関のチャイムが鳴ります。向かいの自称4歳の坊やが保育園に行く挨拶をしに来たのです。相手はビーグル犬ハッチ。毎朝ではないのですが、時々やってきます。夕方「ただいま」と言いながら来ることも。
何しろビーグルは子ども好き。あのスヌーピーを見てください。
そのハッチも推定15歳。春が終わるころからめっきり足が弱くなりました。ふらふらと千鳥足で歩き、壁にぶつかったり転倒したり。
食も細くなり、一時はドッグフードを嫌がるので、蒸したささみを裂いてまぶしたりして食べさせたり。
それでも散歩をしないと犬としてのプライドにかかわるものなのか、精神衛生によくないのか。リードや補助具を使って体を釣り上げるようにして歩かせます。
秋に、宮城県に犬用車いすや歩行器を作っているひとがいることを知り、メールや電話で連絡して歩行器を送ってもらいました。
はじめは全身を?マークにして凍りついていましたが、すぐに要領を覚え、食べ物につられていそいそと歩きます。これで散歩に行くわけではないのですが、歩行練習にはなるようで、足の筋力も少しずつ回復してきたようです。狭い廊下で何回か切り返して見事にUターンもできるまでになりました。足を小刻みに動かすのが最も楽な歩き方のようです。
愉快なのは、歩行器を降りても背中を弓なりにして小刻みな歩幅で歩くことで、こうすれば転倒もしにくく、多少フラついてもだいじょうぶらしいのです。まるで高等馬術に挑む馬のようなのがなんともおかしくて笑ってしまいます。
先日、季節の急激な変化に負けたのか、下痢をして医者に連れて行きました。そこで「看護師?」のお姉さんが、「食欲がある間は長生きするようですよ」と言っていました。歩行器で元気を取り戻すと、食欲も往年ほどではなくてもそれなりに回復したようなので、もうしばらくはだいじょうぶでしょう。とはいえ、別れの覚悟はいつでもできているつもりなのですが。