先日、初めてカケスの撮影に成功しました。
カケスは山里などの深い森にいるらしいのですが、秋が深まると人里に移動して越冬するようです。酒田では「万里の松原」と呼ばれる砂防林に集団でやってきます。しかし、要人深いのかなかなか姿を見せないのです。それでもジェーというような無声音の地鳴きが聞こえたり、時には彼らのものまねの声が聞こえてきたえりします。
彼らのものまねは、たとえばトビやノスリの声ですが、本物より弱々しかったり、途中から何の声だ?というような変化をしたりします。
以前、このあたりでは珍しいイカルの声を聞いたことがあります。イカルは美声で、「オキクニジュウシイ」のように聞きなしたりするのですが、この時のイカルはどこか変でした。そしてだんだん、「一体なんの声?」というくらい変化してしまい、最後にジェーとカケスの地声になっていました。そう、最後に「俺だよ」というように正体を現すのがカケスの癖のようなのです。
数年前、独りで迷犬ハッチの散歩をしていたら、奇妙で美しい鳥のさえずりが聞こえました。しかし、知っているどの鳥の声とも違うので、ぜひ正体を知りたいと思って追跡したのですが、途中で気がつきました。ヒヨドリの声(ヒヨドリはさえずらないそうですが、歌うことはあります。繁殖に関わる歌だけをさえずりというのだそうで。)です。でもヒヨドリってあんなに美声だっけ? それに初めからヒヨドリの声だったっけ? そうわかったらちょっと恐ろしくなりました。すると、その鳥はポプラの枝にとまり、ジェーと鳴いたのです。「俺だよ、カケスさ。だまされたろう、バーカ。」と言っているように聞こえました。
あんなに(本物以上に)美しい声が出せるのに、なぜ地声がだみ声なのか、不思議でなりません。英語でもカケスはjayでしたね。鳴き声が由来なのでしょう。
森でちらりと見え隠れするカケスは黒くてお尻が白い、鳩サイズの鳥ですが、実際には色のきれいな鳥です。翼には青い羽根もあります。この写真のように目のまわりに白い部分がある個体もいて、三白眼で性格が悪そうに見えます。でも、北海道の亜種ミヤマカケスは、アイヌ語でエヤミチカプカムイ、狩りの女神です。熊がいると大騒ぎして教えてくれるからだとか。