大学時代に所属していた男声合唱団の同期会のため、暮れに新宿に行きました。入院中の仲間のお見舞いには間に合わず、ホテルのチェックインや会の集合時間には早すぎるので、新宿をブラブラしてみました。
昔は裏口だった南口が再開発されていて、そこにある東急ハンズにでも行ってみようと歩き始めると、駅前から甲州街道をわたる歩道橋の先にある、なんとかロブスターという店の屋外テーブルのあたりに、ハクセキレイが1羽いました。近寄っても逃げようとせず、テーブルの上や地面、橋のフェンスなどを移動して客のおこぼれをつついているのです。インスタンとカメラを向けても逃げず、手の上にも乗りそうな勢い。思わず激写してしまいました。
多くの野鳥が都会で暮らすようになり、ハクセキレイもその代表のような鳥ですが、ここまで人間に近づいているのかとビックリしました。
それにしても、超近代的な風景の新宿副都心、外国人の姿も多く、観光客よりもここで生活している人らしい姿が目立ちます。
その一方、昔と変わらぬちょっと困った現象にもきがついてしまいました。
それは、オシッコ臭です。大ガード近くの「しょんべん横丁」は、今では「思い出横丁」などと改名させられていますが、不景気になるほど街全体に臭気がただよっていました。
近代的な超高層ビルの谷間を歩くと、一見美しく茂った植え込みにゴミが散乱しあの臭気です。
それは近代化に取り残されたホームレスの人たちの存在を感じさせるものでした。
景気が好転したなどと印象付けたい向きもあるのでしょうが、この周期の強弱は景気に反比例しているのでしょう。
首都圏にあこがれる地方都市の若者よ。見た目の超近代的な、無機的な風景に騙されてはいけない。五感を研ぎ澄ませて体感すべきだぞ。