前回のリモコンホルダー製作以来、何か作るものはないかと物色していたところ。
ふと思い付いたのが、数十年前にある本で見た「永久機関（エネルギーを供給しなくても永久に運動を続ける装置）」中でも1235年フランスの建築家ヴィラール・ド・オヌクールが考案した振り子タイプの永久機関でした。
ネット検索。　ありました、ありました、しかもYouTube動画で、実に滑らかに回転しているではありませんか。
早速、画面を見ながら大まかな図面を引き、近くのホームセンターで木材を購入。
振り子の棒は軽くて堅牢な傘の骨、軸受にはエネルギーロスを最小限にするため、ミニチュアベアリングを使用と、それなりに工夫を凝らし。

ホルダー製作で使い慣れた精密ノコギリなど駆使して制作に没頭。

やっと作り上げたのがこれ

あれ、YouTube動画のようには回転しません。振り子の腕の長さや軸の材質・長さを変えてみましたが、永久回転どころか一回転もしません。
あれ、と再度ネット検索。

なんと、1493年にあのレオナルド・ダ・ヴィンチが、このオヌクールの永久機関を理論的に否定しているではありませんか。では、あのYouTube動画は一体何だったのかと悔やんでも後の祭り。

ということで、71才の無謀な実験はあえなく終了。
思い付きで何の検証もせずに突っ走る、私の欠点を70才過ぎて再認識する一週間でした。

　先週、訪ねてきた2才の孫に「おじいちゃん何つくってるの？」と問われ「出来たらわかるよ」と答えましたが、さて何と説明したらいいか。
でも、蜃気楼でしたが、楽しい一週間でもありました。