国際オリンピック委員長のThomas Bach会長はこのほど改めて東京五輪は予定通り開催される旨言明した旨報じられました。コロナウィルスが米国による日本への渡航及び日本人の訪米の規制に踏み切ることまで取り沙汰たされだしたこのタイミングでの同会長の発言は福島の放射能及びコロナウィルスへの配慮の欠如と商業主義の姿勢を覗かせるせるものとして看過することは出来ません。非常識です。
最早返上を不可避とする状況が現出しつつあると判断されるのです。
五輪開催を理由に横車を押す事例がいくつも見られましたが、下記小池百合子都知事宛メッセージで取り上げた羽田空港増便問題もその一例です。
東京五輪と表裏の関係にあるとされる福島原発事故処理の現状、特に排気筒、1~3号機の燃料棒対策が急がれます。また、汚染(処理)水の海洋放出問題については代替案として経産省が関心を示している近接の坑道の活用の検討を急ぐことが待たれます。
中止となりましたが3月1日いわき市で予定されていた講演のレジュメをご参考までに添付いたします。
村田光平
(元駐スイス大使)
小池百合子東京都知事殿
安倍総理宛メッセージをお届けいたします。
東京五輪対策の一環として案出されたものと指摘されている羽田空港増便に対する住民の反対運動が盛り上がりだしております。
東京五輪は放射能、コロナ、商業主義の三重苦で危機に直面しております。
とりわけ新型コロナウィールによるパンデミックの招来に関してWHOが警告を発する状況となっております。
開催が危ぶまれるに至った東京五輪対策として都心を低空で着陸させるというリスク、川崎の石油コンビナート上空をわざわざ離陸させるリスクを犯させることはもはや国民の理解を得難いと思われます。
貴知事のご理解とご尽力をお願い申し上げます。
村田光平
(元駐スイス大使)
世界が危惧する原発事故下の東京五輪 引用元:講演のレジュメ
世界が危惧する原発事故下の東京五輪(レジュメ) 令和2年3月1日 村田光平
1.原発再稼働と「日本病」 著書「原子力と日本病」(2002年発行) 責任感、正義感、倫理観の三カン欠如 原発は倫理・道徳の問題 市民の直観か、専門家の知見か
2.世界が見抜いている東京五輪の原発との表裏の関係 福島事故隠しに利用 復興を阻害する資材の高騰化と人材不足 世界が驚く原子力緊急事態宣言下の五輪開催立候補 事故以前の20倍の放射能汚染地域への避難住民の帰還要請 3.福島事故の教訓と女性主導の母性文明 人間社会が受け入れがたい惨禍をもたらす科学技術-ゼロ原則 経済重視から生命重視へ 自然エネルギーへの転換 力の父性文明から和の母性文明への転換
4.国際社会と福島危機 憂慮される危機の深刻化 排気筒、1~3号機の燃料棒対策、 急がれる地球環境加害国の汚名返上 求められる汚染水海洋放出代替案
5.不道徳の永続を許さない歴史の法則の表面化 「原子力と不道徳の全方位の破壊力」 「天網恢恢疎にして漏らさず」(老子) 「権力の最大の敵は倫理道徳である」 「原発マネー」の発覚
6.新型コロナヴィールス肺炎の世界に与える衝撃 不可避となった東京五輪の返上 |