小出裕章氏の提言(福島危機の現状)
月刊誌「政経東北」3月号は6ページを割いて小出裕章元京大原子力実験所助教の福島事故の現状と事故収束の見通しに関する極めて注目すべき提言を掲載しております。
その骨子を報告させていただきます。
1. 1ミリシーベルト以上の汚染がある場所に日本政府が居住を許していることは言語同断である。
2.原子力緊急事態宣言は100年たっても解除できない。
3.日々成長する子供は細胞分裂が活発なので被曝の影響は計り知れない。
4.原子力を推進しようとする限り海洋放出以外の方策は取れない。しかし希釈が不可欠であり放出完了には何十年もかかる。
5.燃料デブリの取り出しは、人間が近付けば即死するほどの放射線量のため不可能である。
6. 国と東電のロードマップが言う「30~40年で事故を収束させる」ことは不可能である。
国・東電は「廃炉は不可能」と福島県に謝罪すべきである。
7.廃炉ができなければチェルノブイリで行われた「石棺」で覆うことしかない。その前提条件は1~3号機のプールに保管された未使用、使用済みを合わせ1573体の燃料棒の取り出しである。
8.廃炉作業をめぐっては必要とされる労働者はチェルノブイリの比ではなく、日本人だけでは到底賄いきれない。
日本人であれ外国人であれ、被曝限度に達したら切り捨てるような労働は認めるべきではない。
9.もし「オリンピックに反対する人は非国民」というなら喜んで非国民になる。
オリンピックに使うお金があるなら被害者の救済にあてるべきである。
新型コロナウィルス感染症の蔓延を理由とする東京オリンピックの中止あるいは延期の可能性が取沙汰されております、コロナは消えても放射能は残存するので中止しかあり得ない筈です。
村田光平 (元駐スイス大使)
|