散歩で会うお兄さん(名前がわからないので、私たちは彼をそう呼びます)は、以前からこの森にフクロウがいることを知っていました。フクロウがとまっている木の真下に行っても逃げなかったと言います。しかし、枯れた松の伐採が始まると見えなくなり、その後一度会ったら、とても用心深くなっていたそうです。
今、フクロウたちが用心深いのも、伐採でショックを受けたからなのか、もともと子育て中は用心深いものなのかはわかりません。ひなたちも日に日に用心深くなり、遠くからでもカメラを向けると飛び去ります。(もともと、鳥はカメラを向けられるのをいやがります。銃に見えるのか、あるいは敵の目と認識して、自分が見つめられることをいやがるのか。とにかくソシアルディスタンスがとても大きいと感じます。
さて、昨日の夕方、フクロウ兄弟を見つけました。互いが離れて、背中を向けていました。
母親もいたのですが、素早く見えないところに移動してしまいました。
その母親は、今朝見つけました。遠くから不安そうにこちらを見つめています。でもピンボケになったのは、フクロウの忍法でなにか術を使ったのかも?
ひなたちも後姿は色が濃くなってきました。
ところで、一般に鳥は見たいものを横目で見ます。顔の長い馬も正面は見えないので、近づくとじろりと横目で見ます。
ところがフクロウは真正面から見つめるので、カメラ越しでもドキドキするほどです。夜狩りをするフクロウは、立体視するために顔が平たくなり、2つの目の視野を重ねて物を見るのですね。耳の位置も左右で高さが異なっているそうです。ネスミなどの獲物の音を立体的に聞くためだそうです。
さらに、ひながもっと幼いころ、くちばしの両脇に頬まで伸びる線が見えました。口の線です。くちばしは小さく見えるのに、実際に口を開くと耳まで避けるほど大きな口なおです。肉を引きちぎって食べる他の猛禽類と違い、獲物を丸飲みするためです。しかし、成鳥につれて羽毛で隠され、おちょぼ口に見えるようになるのです。文楽人形に、美女が突然耳が裂けた鬼女に変わるものがありますが、知らないと食事中のふくろうは不気味に見えるかもしれません。
ひなたちももう素早く飛ぶことができます。フクロウの翼は意外に大きく、羽ばたく音は全く聞こえません。よくフクロウをいじめるカラスも、翼の大きさでは完敗です。