五輪中止に備えての危機管理を求める安倍総理宛メッセージをお届けいたします。
日本の市民社会は当初から、倫理の立場から東京五輪の挫折を予見しております。
世界も日本もいつまでも放射能無視を放置するはずがありません。
不道徳の永続を許さない歴史の法則の表面化が実感される世相となりました。
福島事故後も「原子力タブー」がなお健在の背景に漸く焦点が当てられ出したのも頷けます。
東京五輪は原発と表裏の関係にあります。
その中止が日本の命運を脅かす再稼働の停止をもたらすと確信する所以です。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
村田光平
(元駐スイス大使)
安倍晋三内閣総理大臣殿 2020.06.11. 引用元:安倍晋三内閣総理大臣宛メッセージ
安倍晋三内閣総理大臣殿 令和二年6月11日
村田光平 (元駐スイス大使)
拝啓 時下益々ご清栄のことと拝察申し上げます。。 6月7日、鳩山友紀夫元総理より下記のメッセージが寄せられました。
「東京五輪をやるくらいなら、そのお金を福島の方々の生活補償や除染などに使うべきと思っておりました。(中略) コロナのパンデミックを見ても、東京五輪を中止にせざるを得ませんし、そう分かっているのだから、早くアスリートに知らせてあげないと、アスリートにも可哀想だと思います。」 9日、この趣旨を伝える別添のバッハ会長宛メッセージを発出いたしました。
東京五輪の最大の問題は、放射能の存在を一定の限度容認する原子力緊急事態宣言の無視です。福島原発事故から目をそらさせ、そこから発生した放射能の危険性を無視しているのです。危険です。無責任、不道徳です。
そもそも原子力緊急事態宣言が解除されていないことだけで東京五輪は失格となるべきだったのです。日本の市民社会が当初から、倫理の立場から東京五輪の挫折を予見している所以です。 世界も日本もいつまでも放射能無視を放置するはずがありません。
これまで度重ねて五輪中止決定を求める日本の市民社会の率直な声を発信してまいりましたが、不道徳の永続を許さない歴史の法則の表面化が実感される中で、「人事を尽くして天命を待つ」の心境です。
中止決定は時間の問題になったとの一部の情報通の観測に注目しております。
中止に備えての危機管理の準備の必要性については度重ねて貴総理に指摘してまいりましたが、最早多言を要しないと存じます。
貴総理の一層のご指導とご尽力をお願い申し上げます。 敬具 |