入口紀夫熊本大学名誉教授から寄せられた東京五輪中止の動きに関する所感が寄せられましたのでお届いたします。
日本の市民社会は当初から「無責任・不道徳」な東京五輪の開催実現に悲観的でしたが、本所感は余すところなくその根拠を提示しております。
ドイツのハインリッヒ・ベル財団のアジア支部のオリンピック特集に小出裕章先生の記事が掲載されました。誠に時宜を得たものです。
https://hk.boell.org/sites/default/files/2020-10/perspectives-asia-no-9.pdf以上を総合し、五輪中止は不可避と断言できると信じます。
村田光平
(元駐スイス大使)
(23日に寄せられた入口紀男先生の書簡】
村田 光平 様
入口紀男です。
お疲れさまです。
東京五輪は、特に欧州で急増し始めたコロナによってではなく、日本を貶(おとし)めた不道徳によって中止されると私は考えております。
放射能汚染国・地域に五輪を招致した不道徳。
「アンダー・コントロール」などとウソをついて招致した不道徳。
招致のために「東京は福島から離れている」などと言って福島を切り捨てた不道徳。
日本人古来のおもてなしの精神を招致という見返りのために使ってぶち壊した不道徳。
高濃度のセシウム137が沈着し、今も糞尿臭が流れ込む東京湾で世界の選手を泳がせようとした不道徳。
ボランティアを学校等に割り振って強制的に徴用しようとした不道徳。
JOC会長もフランス司法当局から贈賄容疑で捜査されている不道徳。
世界の選手や観客、ボランティアを未必の故意で熱中症の危険にさらそうとした不道徳。
東京の古い街並を住民感情を無視して壊した不道徳。
福島を復興のイメージに利用して米国の土壌の3千倍の放射能をもつの野球場で五輪競技を開催しようとした不道徳。
だれも責任を取ろうとしない不道徳。
PCR検査を、人口あたりあのスウェーデンの10分の1しか実施しない不道徳。
どのメディアも、不道徳を不道徳として取り上げようとしない不道徳。
日本が、自らの国をこれほど貶めた時代はありません。
日本の風向きが、政府が真正面から国力をかけて取り組むべきは東京五輪の開催などでなく、原子炉事故の終息であり、新型コロナの制圧であるということにならないように、政府も広告会社も新聞・テレビも、国民の健康より自らの利権を守ることに必死で、国民に対して原子炉事故も新型コロナも、何としてでも小さく見せようとして来ました。
オリンピックの中止