菅総理宛メッセージをお届けいたします。
マハティール元首相の賢明な原発への対応ぶりを紹介し、世界中の原発の過酷事故の可能性に言及し、日本の脱原発の国際化の必要性を訴えるものです。
世界の危機の真因が倫理の欠如であることについては米大統領選挙を前にして米国の知人も賛同していることをお伝えしました。
原発と表裏の関係にある東京五輪で傷ついた日本の名誉回復のためにも国連倫理サミットの実現に日本が貢献するよう訴えております。
村田光平
(元駐スイス大使)
原発の安全性 引用元:菅総理宛メッセージ
菅 義偉内閣総理大臣 殿 令和2年10月30日 村田光平 (元駐スイス大使)
拝啓 天災の激甚化、老朽化などにより世界の原発の安全性が脅かされております。 日本での原発震災発生の可能性を予見したものとして過酷事故の再発の危険性を深刻に憂慮しております。
政治家の原発に対する姿勢の模範を示しているのは、マレイシアのマハティール元首相です。2014年に3通の親書をいただいておりますが、人間は放射能を無害する技術を有さず、廃棄物の処理もできないことなどの理由からマレイシアは原発を導入することにあくまでも反対の立場を堅持しているとの素晴らしい見解を同親書でお伝えいただき、感銘を受けたことが想起されます。
原発の安全に責任を負わないと公言する原子力規制委員会に再稼働を許可する権限を与えているのが日本の嘆かわしい現状です。原子力村は存続し『出鱈目』がまかり通っております。市民社会の懸命の提言は無視されるのみです。
しかし、福島事故がなかったかのように東京五輪を利用しようとした企ては頓挫しました。無責任・不道徳な五輪中止は不可避となったのです。しかし、五輪と原発とは表裏一体と見抜かれており、国際社会での日本の名誉は深く傷つきました。これを放置してきた国民は反省を迫られているといえます。
不道徳の永続を許さない歴史の法則(天地の摂理)はすでに表面化しております。この法則に沿う「世直しコロナ」の存在が看取されだしており、国民が反対する諸プロジェクトの挫折を生んでおります。リニア新幹線、カジノ等々同様にその照準に収められつつあるのは原子力独裁だと認識しております。
罪深い原発の新設が許される筈がありません。 世界が直面する真因が倫理の欠如であるとの認識が広まりつつあります。この認識については米大統領選挙の現状との関連で米国の知人からも賛同のメッセージが寄せられております。
地球倫理の確立、そして力の父性文明から和の母性文明への移行を目指す国連倫理サミットは、日本の歴史的使命である核廃絶への入り口とみなされるもので、すでに国際的支持も強まりつつあります。
日本の尽力で国連倫理サミットを実現させることにより、傷ついた日本の名誉挽回を図ることが望まれます。先日お届けした貴総理宛メッセージで同サミットの実現に中国との協力を提言した所以です。
同サミットは危険な430余基の残存原発対策として今後の重大課題となっている脱原発の国際化にも貢献すると思われます。原発の過酷事故再発の可能性が軽視されている現状は早急に改める必要があると確信いたします。
貴総理のご指導とご尽力をお願い申し上げます。 敬具 |