エピソード1
1月15日の酒田市街地です。
急に気温が上がり、さすがの積雪も一気に少なくなりました。路肩部分に除雪車が残した雪の壁が残っています。垂直の切り口に見えるのは、通過する車のタイヤがこすれて削ったためです。
この日は晴れで、暖気で溶けて流れ出た水が、早朝の放射冷却で凍り、いわゆるブラックアイスバーンになっていました。白く見える圧雪面はふだんは滑らなくても、表面が溶けていると危険なので、雪のない路面の方が安全だと思って濡れたアスファルトに足を載せると、あにはからんや、そこは氷のコーティングになっていてあっと言う間に後頭部を打ちつけることになります。
写真では路面に白い雪が残っています。これは溶け残った雪ではなく、路肩の雪の壁をじゃまに思って住民が路上に投げ出したものです。これを車に踏ませたり、太陽の力で早く溶かそうという計画です。しかし、この道は車も少ないし、冬の日本海側は太陽も顔を出さない。結局、流れ出した水分が凍ってミニのブラックアイスバーンになってしまいます。歩行者にとっても車にとっても、まして郵便配達などのバイクにとっては命にかかわります。
悪気はないのですが創造力がない。これって県民性なのかなあ? それとも国民性?
エピソード2
恐怖の体験です。免許をとって初めて買った車が、中古のドイツ車でした。生徒から「おんぼろだね。外車買えば。」と言われた車です。「外車なんだけど」、と言っても「ウッソー!」。四角い車で屋根もまっ平らでした。この平らな屋根に雨水がたまるのです。大雨の時など赤信号で止まると、慣性の法則で、たまった雨水が滝のように流れ落ちます。1秒にも満たない一瞬ですが、走行中に前が見えなくなるのは恐怖でした。
雪が降ると、屋根に雪を載せたまま走っている車を見ることがあります。中には、フロントまで雪に覆われ、運転席の前だけ扇方にのぞき窓があいているような車も。なんと横着な。それともおもしろがっているだけ? 遅刻しそうなギリギリ生活をしているのか?
先日、赤信号で停まっていたら、対向車がフライングしてズルズルと前進しました。そろそろ信号が変わるころだと思ったのでしょう。でもそれは勘違い、信号は赤のまま。横断歩道をまたぐところで急停車しました。すると、屋根に載っていた雪が雪崩になってフロントガラスをふさいでしまいました。「バカじゃん」と、内心、横浜弁で毒づいていました。
上には上があるもの。別の日、フロントが雪に覆われたまま走っている車を目撃。危ない危ない、なにやってるんだ?
この車も、走行中に屋根の雪が落ちてきたのでしょうね。笑いごとではありません。
エピソード3
雪が積もったら、急発進、急停車、急ハンドル、急ブレーキは避けるようにと、繰り返し言われます。どれもタイヤが滑って危険なのです。
わかっているつもりでも、ぼんやりしていて信号が変わることに気づくのが遅れたような時、あわててブレーキを踏むと、停まらない。足の裏にがりがりという感触があって、車はズルズルと前進します。スリップを避けるABSが働いて車輪が止まらないようにしているのですが、あわてるとさらに踏み込み、車も前進を続ける。実際に経験すると、交差点の真ん中に進んでいくのは恐怖です。
教習所で習った「ポンピングブレーキ」はここで役立ちます。信号が変わるとか、前方に危険があるということを、かなり前に察知して、ブレーキングを始めます。少しずつポン、ポンと踏んで徐々にスピードを落としていくのです。後ろの車への合図にもなります。圧雪やアースバーン状態の路面では、必須の方法です。