スマート化でだいじょうぶ?
床暖房なので、一日中ストーブを炊くということはまだありません。北国では、各戸に屋外型の灯油タンクがあるのは普通です。そのため、冬季にはボイラーの排気の匂いが屋外にただよっています。 以前新聞に、薪ストーブの煙が迷惑という投書がありましたが、灯油の排気ガスの匂いは慣れて気にならないのでしょう。もっとも、当節はやりのオール電化というのは、床暖房も電気なのでしょうか? 我が家では、床暖では寒いような場合、灯油ストーブを点火します。これは点火などに電池が必要な以外は、電気を必要としないタイプです。 もう何年前でしょうか。3月に湘南に大雪が降りました。私は職員旅行に参加していて箱根にいたのですが、目覚めると、分乗してきた駐車場の車が埋まっていました。それを掘り出して帰途についたものの、途中でワイパーが壊れ助手席にいた私が窓から身を乗り出して傘でフロントの雪を払いながらの雪中ドライブ。小田原に降りると大規模な停電で、信号機も消えています。大渋滞が発生していて、朝羞発したのに、横浜の自宅に着いたのは夜9時ごろでした。 横浜の自宅は大きな影響がありませんでしたが、湘南地方では送電線が着雪と強風で倒れ、大停電が続きました。灯油のファンヒーターは、灯油が燃料なのに使えないとか、電気が止まると高台や団地の給水も止まるのだということを知ったのはこの時です。 以後、我が家では先述したような、電気が要らない灯油ストーブを供えるようになったのです。
10年前の大震災では、現在住んでいる酒田は24時間近く、つまり一晩だけ停電したのですが、3月の東北は冬並みの寒さ。このストーブが役に立ちました。というより、常に使っているわけなので、大きな影響を受けずにすみました。とはいえ、床暖がない分の寒さはこたえましたが。 問題は食事です。燃料はプロパンで、これは被害を免れました。冷凍庫の食品を使えば食事はなんとかなりそうです。いや、今使わなければ冷凍食品はだめになるでしょう。問題は炊飯。でも、私たちは子どものころ、ご飯を炊くのに鍋を使いガスで炊いていた経験があります。水加減を計る方法だって身についています。 というわけで、たった一晩の大停電をどこか楽しみながら乗り越えたのですが、鍋の炊飯はその後も続けています。おもしろいことに、炊飯器ではときたまスイッチを押し忘れてしまうことがありました。習慣化するには、動作が簡単すぎるからでしょうか。でも、自分で火加減を調節する今の方法はまさにルーティン化して、忘れることが少なくなりました。ゼロではない? そうです。別のことに夢中になって、炊飯中だということを忘れてしまうのです。おっと、今タイマーが鳴りました。弱火にしないと焦げてしまいます。 格安だったびしょ濡れマイタケ、天気が悪くて日向で乾燥させることができません。できれば香りがよくなるのですが。仕方がないのでイワシの缶詰と一緒に炊き込みご飯を炊いています。 あれ、なぜこんなことを書いたんだっけ?そうそう、大災害が起こって大停電になると、電気に頼る生活は不可能になるという当たり前のことを言いたかったんだった。きっとスマホも使えない、電気自動車も。 震災の時、太平洋側の道路が使えないので、ガソリンや物資は日本海側から山を越えて被災地に運びました。ガソリンは運べることが利点ですね。電気は運べない。発電所、送電線などが被害を受けたら復旧に何日もかかります。被災した原発の恐怖も忘れてはいけません。 あれから11年、車は電気自動車にシフト、世の中は政府を挙げてデジタル化。それでいいの?そんなに単純な話なのかなあと、駆け出すことが嫌いな私は、またまた立ち止まってしまったのです。
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