林 芳正外務大臣宛メッセージ(脱原発の国際化)をお届けいたします。
原発の特異な国際的背景に鑑みれば国連倫理サミットの開催を実現して脱原発の国際化を実現することによってのみ日本の脱原発は実現するとの確信をお伝えいたしました。
村田 光平
(元駐スイス大使)
脱原発の国際化 引用元:林 芳正外務大臣宛メッセージ
林 芳正外務大臣殿 令和3年12月19日 村田光平 (元駐スイス大使)
拝啓 現在日本の脱原発は原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進機構)が先頭に立ち、強力に推進しております。 同組織は小泉純一郎会長(元総理)、中川秀直副会長(元自民党幹事長、内閣官房長官)、河合弘之事務局長の体制で日本での脱原発を強力に推進しております。
フクシマ事故、そしてこれに由来する放射能の危険性を無視する東京五輪も原発と同根であると市民社会は指摘してきました。 原発には特異な国際的背景が存在することは事故まで起こしながら脱原発に踏み切れない日本が遂に証明したと言えます。市民社会は日本単独の脱原発の追及の限界を認めざるをえず、改めて国連倫理サミットの早期開催を強く訴える次第です。
五輪の政治利用が深刻な問題になっておりますが、ご高承の通り、これを禁じている五輪憲章の死文化は既に万人が認めております。
このたび内外の市民社会が提起した放射能流出の実害を伴う深刻なフランスの原発技術の欠陥、IAEAとWHOの癒着の問題などは既に2014年3月11日付の別添共同声明がIAEAの改革を含む対処方針を提言しております。本件はまさに国際機関、政府、巨大財閥が絡んだ世界的な問題です。国連倫理サミットで取り上げることが望まれます。
世界の30余国に残存する430余基の原発の危険性の認識に世界の安全は大きく依存しております。福島事故の教訓は経済最優先から人命再優先への移行です。これを無視することによる悲劇は何としても防がねばなりません。
貴大臣の一層の御活躍と御健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
3月11日を地球倫理国際日にするよう訴える共同声明 引用元:声明文
3月11日を地球倫理国際日にするよう訴える共同声明(2014.3.11) (※この声明は、時間切れで署名の取り付けには至らず、発表にはいたりませんでしたが複数国の首相経験者を含む有力者により賛同されています)
人間社会が受容できない惨禍をもたらしかねない科学技術は事故の可能性につき如何なる数値が援用されようとも完全にゼロでなければ使用してはならないというのが、福島の教訓である。
放射能汚染をもたらす行動はほぼ永久に人類と地球に計り知れない損害を与えるものであり、倫理と責任に欠けるものとして非難されなければならない。
日本は悲しいかな核エネルギーの軍事利用、民事利用双方の犠牲となった。福島の後、日本は放射能汚染に苦しむのみならず、事故の悲惨な結果の収束を図るために容易には克服できない諸問題に直面している。
核技術は不可分であり、軍事、民事に分けることが出来ないことは明確に認識されている。日本は今や民事、軍事を問わない完全な核廃絶を世界に訴える歴史的使命を有するものと信じる。これも福島の教訓である。
このような見地から次の提案を行うものである。
1.核拡散の防止と原子力発電の促進という両立できない使命を与えられたI.A.E.A.は改革されねばならない。 2.現存する原子力発電所の安全に対する国際的管理は強化されねばならない。
現在人類が直面する危機は文明の危機である。支配に立脚した力の文明を、命に至上価値を置き、協力に立脚した和の文明に転換しなければならない。
人類が直面する危機の根深い原因はあまねく世界に広がった倫理の欠如である。未来の世代に所属する天然資源を濫用し枯渇させ、永久に有害な廃棄物と膨大 な債務を後世に残すことは倫理の根本に反するものである。自然と世界の資源は如何なる結果をもたらすかに配慮することなく利用されている。
地球倫理の確立なくして、未来の世代に美しい地球を残せるような人類の文明を創設することは出来ない。
このような考えからユネスコクラブ世界連盟(WFUCA)が呼びかけている国連倫理サミットの開催と地球倫理国際日の創設を強く訴えるものである。3月 11日を地球倫理ユネスコ国際日とすることを呼びかけたWFUCAの公式声明を全面的に支持し、国際社会に賛同を求めたい。同サミットはオバマ大統領の核兵器のない世界のヴィジョンに向けて道を開くものと確信する。
この地球倫理国際日は、紛争を解決する手段として決して戦争に訴えないとの決意を毎年新たにすることを可能としよう。
核エネルギーを使用しない人類と地球の長期にわたる安全のために、ライフスタイルについて短期間の犠牲を払う覚悟が必要である。自然・再生可能エネルギーは倫理と連帯に立脚し、環境と未来の世代の利益を尊重する新しい持続可能な文明の基礎となり得よう。 |