酒田は曇り空。冷え込みはきびしいものの、風もなく穏やかな朝です。こんな日は、リスに会うチャンスです。風がないと、小さな音が聞こえるからです。リス自身も、音で危険を察知できる風のない日は、安心できるようすです。
　そして久しぶりにリスに対面。それも顔なじみの白「ひげたいしょう」。珍しくひげのほとんどが白い雄です。
　見つかって木に登って逃げると見せかけて、別の木に移って何か探していました。木の枝の付け根のあたりをごそごそしていれうと思ったら、何か落としてしまいました。隠しておいたクルミらしいのですが。どうもそれは木の腐った部分に隠したものが、丈夫な樹皮に挟まって、その樹皮ごと落ちたようなのです。あたふたと降りてきたリス。
　そのダイジェストです。
クルミはどこだ
ここにあったよ！
でもこれ、クルミじゃないよ！
かじってみよう！
変だな、においはするのに？
なあんだ、ここにあったよ！

　アイヌの道具や秋田県の民芸などに、桜の樹皮が使われることがあります。秋田のは「蒲細工」などと呼ばれますが、本当は桜の樹皮ですね。茶筒や鉈のさやなどにします。森でも、木が腐ってしまったのに、筒状の皮だけがいつまでも残っていたりします。そこに目をつけて、細工に使ったのだと想像できますね。
　リスは、この筒状の皮にはさまったクルミを取り出そうとしているうちに落ちてしまったらしいのですが、探しているうちに、何をさがしているのかわからなくなったんかい！と「突っ込みをいれたくなるようなあわてかたでした。