岸田総理宛メッセージをお届けいたします。
マハティール元首相がマレイシアへの原発導入を拒否した判断の素晴らしさに感銘を覚えます。
倫理を重視すれば原子力は無責任・不道徳と断じざるを得ません。だからこそ予見されるエネルギー不足には原発ではなく、自然エネルギーの促進で対応すべきなのです。
国連倫理サミットについてもマハティール氏は「いかなる状況の下でも紛争を解決する手段として戦争に訴えるべきではないことを宣言する」ことを期待して支持されたのです。
この宣言の実現を目指す日本の尽力への期待に現に接しております。
村田光平
(元駐スイス大使)
マレイシアへの原発導入を拒否 引用元:岸田文雄内閣総理大臣宛メッセージ
岸田文雄内閣総理大臣殿 令和4年4月7日 村田光平 (元駐スイス大使)
拝啓 アジアの政治家の叡智を象徴するマハティール・マレイシア元首相から10年前に頂いた別添の書簡からは、世界が直面する危機の真因は倫理の欠如であるとの視点が伺われます。
ウクライナ危機がもたらしつつあるエネルギー危機を前にして原発を新たに促進して乗り越えようとする動きが見られますが、重大な問題点を看過しております。それは放射性廃棄物の処理振りに見られるように、すでに世界の良識は原子力を無責任・不道徳と断じていることです。それに引き換え自然エネルギーの促進はいまこそ大がかりに進める好機到来ととらえるべきと思われます。
首相を24年間も務め96歳の現在も国会議員を務めるマハティール・マレイシア元首相の叡智に大いに学び、日本としても脱原発に早急に踏み切ることが望まれます。同氏は国連倫理サミットの開催に 賛同しておりましたが、「いかなる状況の下でも紛争を解決する手段として戦争に訴えるべきではないことを宣言する」ことを期待していたのです。同サミットの早期開催実現が待たれます。
ウクライナ危機は政治指導者に最も求められる資質は生命に至上の 価値を置く人道主義であることを世界は改めて学びつつあります。
貴総理の一層の御発展と御健康をお祈り申し上げます。 敬具 |