最高裁が福第一原発事故で、国の責任を認めない判決をしたのは、本当に悔しい。
　叔父の家族は、双葉駅前の家から避難し、結局戻らないことを決意して避難先に家を建てました。母を含めて7人兄弟の末っ子である叔父は、唯一双葉で生まれ、双葉を一歩も出たことがなかったのに、どんなに悔しい決断だったでしょうか。
　私の生家は海岸にあり、墓地もあったそうですが、すべて津波で流されたそうです。しかし、津波の被害者の捜索も、墓地の立て直しも、原発事故のためにできなかったと聞きます。
　かつて双葉の住民は、原発に誇りを持っていました。原発が国策であり、首都東京の為に電気を作っているのだと。
　「原発は危険だ」といくら言っても、まだ10～20代だった私「東京のケンちゃん」のたわごとなど、だれも耳を貸しませんでした。危険人物とさえ思われていたかも。
　結局、その思いは、今になって裏切られたというわけです。国は、いざとなれば責任を取らず、助けてはくれないのだと気がついてほしい。
　むしろ、この判決をこれからに生かさなければ。原発は取り返しのつかない被害をもたらす。そして、地元の住民は捨てられてしまうのだと。福島だけでなく、全国の人が気づくべきです。
　さらに、ロシアがウクライナの原発を破壊しようとしたように、戦争になれば、原発は真っ先に標的にされるでしょう。その被害は、福島程度ではすまないでしょう。そうなれば無関係でいられる人は一人もいないはずです。