ノスリはタカの仲間です。でもノスリの顔を見ていると、他のタカ、つまりトンビやオオタカとは少し顔つきが違うように思います。はてどこが違うのか？
　顔が平たいのです。そして目が大きい。顔が平たいというのは、２つの目が前にあり視野が重なるので、立体視できるということなのだろうと思います。
　多くの鳥は横目でものを見ます。カラスが横を向いている時、実はこちらを観察していたりします。多くのタカもそのようにものを見ます。
　しかしノスリの獲物は野原や田畑のネズミやモグラなど、地上の小動物です。彼らは夜行性の動物ですから、ノスリの狩りは早朝や夕方がおおいのではないでしょうか。そのため、もともと昼行性のタカだったノスリが、薄暗くても獲物が見えるように進化したのではないかと思います。薄暗いと遠近がわかりにくいので、立体視できるように顔が平たくなったのだろうと。
　フクロウなどは完全に顔が平面になっています。大きなお皿が２つ並んでいて、その皿の真ん中に目があるようなものですね。サラは集音機の役目があって、獲物の小さな音を聞きつけるらしい。耳の位置も左右で高さがずれているそうです。それで音源の方向がわかるというわけです。
フクロウの目はあまりに大きくて、見る対象を目で追うことができないので、顔そのものを動かします。顔を逆さに回転させたり、真後ろを振り返ることができたり。
　森の中でフクロウを見つけたのに、それが後ろ向きだとがっかりするのですが、ぐるりと顔が向くので後ろ向きのまま正面顔が撮れます。
　写真は、巣立ちしたばかりのノスリのヒナの正面顔です。大きな口を開けてママーとか叫んでいるところですが、口がハート形です。