このごろ何故かピーマン&ぴーまん、
最近はほぼ連日のようにぴーまんを調理したものを含めた食事にはまっています。 調理に使えば使うほどぴーまんへの恋心(?)が深まりつつあります。 ぴーまんは一つ一つの形が個性的です。造形的にも楽しくて『美』を感じます。 先ずはぴーまんを取り込んだばぶさん童話から『わるぐちけんか』のご紹介です。 この童話を書いたころの私は食材としてのぴーまんをことさら好きではありませんでした。
『わるぐちけんか』 (第2稿)
もうじき夏です。どうぶつ村のこども園では みんなが一人一本ずつ畑にきゅうりの苗を植えました。 毎日せっせと世話をしたので、苗はぐんぐん大きくなりました。 やがて黄色の花が咲き小さなちいさなきゅうりができはじめました。 「ぼくのほうがりっぱだぞ」 とリス君が得意になって言いました。 「あたしのほうがおおきいわ」 と猫ちゃんが負けずに言い返しました。 「なんだぃ、ねこちゃんのきゅうりなんて へぼきゅうりじゃないか」 とリス君は自分のきゅうりを撫で撫でしながら言いました。 「へぼきゅうり? よくもいったわね、なによ へぼへぼきゅうり」 とねこちゃんはシッポをくねくね言いました。 「へぼへぼきゅうりだってぇ。なんだい、あばばのばぁ の ばあーたれぷう」 リス君はあっかんべぇをしながら言いました。 「なによ、びびびのびぃ の い~だらり」 と猫ちゃんは両方の人差し指で口を横に大きくひろげていいました。 「しっぽくねくねへびしっぽ」 と言ってリス君は 猫ちゃんのシッポみたいに体をくねくねくねらせながらいいました。
「へびしっぽだってぇ、うええええん」 とうとう猫ちゃんは泣きだしました。 その泣声を聴いてへび君が穴の中から出てきました。 「だれだ、ぼくはねこのしっぽなんかとちがうんだぞ。 ぼくのからだはあたまのてっぺんからしっぽのさきっぽまで ぜんぶぜんぶ、ぜ~~ぶへびなんだぞ。 ねこちゃんリス君に言ってやれ『ぼさぼさシッポのけむししっぽ』って」 へび君に励まされて猫ちゃんは元気を取り戻してリス君に言いました。 「あんたなんてなにさ、ぼさぼさシッポのけむししっぽ」
「 ぼさぼさシッポのけむししっぽ だってぇ、 うえーえ えん えん うえーえ えん えん」 リス君のその泣声を聴いて 木の高い処の葉っぱの先から ぴゅ~~~と糸を伸ばして 空中ブランコみたいに けむし君が降りてきました。 「はなしはすっかりきいてたぞ。りす君まけるな。 ねこちゃんとへび君にいってやれ。 『おたんこなすのあんぽんたん』っていってやれ」 リス君は大きく息を吸い込んで 「よぉおおし、おたんこなすのあん・ぽん・たーん」といいました。 「おたんこなすの あんぽんたん だってぇぇぇ」 猫ちゃんとへび君は二人揃って大きな声で泣きました。 猫ちゃんとへび君の悲しい鳴き声を聴いて 猫ちゃんと大の仲良しのウサギちゃんが ぴょんぴょんのぴょ~んと駆けつけました。 「ねこちゃん へび君、あたしが来たからもう大丈夫よ。 あのふたりにいってやりなさい。 『とんちんかんのどてかぼちゃ』ってさあ、はやく言って」 ウサギちゃんの応援で猫ちゃんとへび君は元気百倍いいました。 「とんちんかんの どて・かー・ぼちゃ」
「とんちんかんのどてかぼちゃぁだってぇぇ。うえーん えん えん」 リス君とけむし君は大きな声で泣きました。 その時高い木の枝から枝へ幹から幹へぱ、ぱ、ぱ、ぱ、ぱっと まるで忍者のようにサル君がやって来て決めポーズでいいました。 「そこまでだ。 ここはおれにまかせろ。 リス君けむし君あの三人にいってやれ。 『へっぽこあたまのじゃがいもあたま』って」 「よおおし、そっちのチームなんかぁ・・・ 『へっぽこあたまのじゃがいもあたま』 どうだぁ、まいったかぁ」 「なにさ、そっちのチームこそ 『なかみ・からっぽ・ぴーまんあったま』 ぱふっ ぱふっ ぱふっ」 「おまえのかあーちゃんでーべーそっ」 「おまえのとうちゃんげろげろぽん」 「みみくそはなくそ ぷ ぷ ぷぅー」 もうみんなめちゃくちゃのぐちゃぐちゃになって わるぐちをいいあいました。 そのとき 近くの学校の鐘が 「きーん。こーん。かーん。こーん。 きーん・こーん・かーん・こーん。」 となりました。すると誰かのおなかが ぐぅーっ となりました。 「おなかがすくからかーえろ。 けんかやーめんっぴ、 いーち ぬけた。」 「かえるがなくからかーえろ。 にー ぬけた。」
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