貫通
耳が、ガサつくので家内に見てもらうと、「大変、耳垢でふさがっている」 早速、耳かきと数種類のピンセットを用意して大掃除に取り掛かってもらいました。何せ十数年間放ったらかしにしていたのですから積もり積もったのでしょう。まして、しょっちゅうプールに行き水分を補給してたわけですから、しっかりと固まってしまったようです。悪戦苦闘、左耳は耳かきで端を崩してピンセットで引きずり出しました。何と大豆大の塊がポロリ。 しかし右耳の方は、しっかりと穴をふさいでいるため崩せる取っ掛かりも皆無、その内、こちらも痛さに耐え兼ねギブアップ。 しかし、時間が経つにつれ、左耳から採取した塊から想像し、頭が巨大な異物で占領されているような違和感に苛まれ、居ても立っても居られず、耳鼻咽喉科に駆け込みました。
診療台に腰かけた途端、「こりゃあ、すごい」「取れるかな」「痛かったら言ってください」「すっぽりと奥にはまりこんでいる」など心がめげそうになる医師の声。 待合室で、診療に耐え兼ねてギャーギャー泣き叫ぶ幼児の声も聞いていたので、ここはオジ(オジイ)さんパワー、男の見せ所とばかりに、グッと痛さに耐えたのですが、額から脂汗、目には涙がにじむ始末。 見かねたか「チョッと休憩」「左耳を見てみましょう」「ははぁ~ん こちらはきれいですね」「よし、もう一度トライしてみましょう」「もしダメなら、薬で柔らかくして後日来てもらいます」と言いながら、紙袋に密封された新しい器具を取り出し再挑戦。 ガリガリ ギリギリ ギャー 頭蓋骨を直接金属でひっかかれているような痛みが ズキン ズキン 「ハイ 鉗子」 ガサ、ガサ 「ハイ 取れました」 何と今度は小指の先ほどの黒い塊 ヒャー 頭が一気に軽くなり、右耳と左耳が貫通したような。
診療代は初診料も含め1,150円 家に帰ったら、まずはバッハのチェンバロ曲を聴こう
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