昨晩は、10年ぶりにサントリーホールのピアノコンサートに行ってきました。
演奏者は、「音楽 聴き比べ」で何回か取り上げている今話題のピアニスト、ユジャ・ワン。
http://yarouyo.jp/readnote.php?no=1036&pls=1&prc=1&rcn=13高校時代の友人の薦めで彼女を知り、YouTubeで度々視聴してきました。卓越したテクニックとモデル並みのスタイル、奇抜なドレス(超ミニスカートや大きくスリットが入った)、そんな派手さばかりではなく、しっかりとした音楽性でも注目されています。
半年前にチケットが発売された時は演奏曲目が未定で、リサイタルの2か月前になってやっと発表されました。
スクリャービン「ピアノ・ソナタ第4番」
グラナドス「ゴイェスカス」から
ショパン「即興曲第2番・第3番」
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第29番ハンマークラヴィーア」
スクリャービンのソナタは聞いたことがないので、YouTubeからスマフォにダウンロードして聴き込んでいましたが、リサイタルの2日前になて演奏曲目が変更、スクリャービンとショパンに替わりシューマン「クライスレリアーナ」が、本人の強い要望とのこと。
これは私にとっては大ラッキー、何せ好きな曲が一夜に二曲聴けるわけですから。
そして、昨晩
期待していた奇抜なドレスではなく、背中は大きくカットされていましたが、普通のピンクのロングドレス。
一曲目のクライスレリアーナは第1曲の激流が渦巻くようなうねりは少し大人しくなるなど、チョット物足りなさを感じましたが、終曲に向かい段々と高揚し、まずまずの演奏。
二曲目カプースチンの変奏曲は初めて聴く曲、ラグタイムのリズムに乗ったジャズ風な音楽、こういう曲は彼女に向いている。ここでビックリしたのが、楽譜を大きめのタブレットに入れそれを操作しながらの演奏。よく読めるものだと感心。
休憩かと思ったら三曲目は何とショパンのバラード第1番、この曲も若い時から散々聞いた大好きな曲。しかし彼女らしさが感じられない演奏に少しがっかり。ショパンは彼女向きではないのかもしれません。
そして休憩をはさんで、最終プログラムのハンマークラヴィーア。出だしでいきなりミスタッチ、何か乗り切らないまま第二楽章そしてゆっくりと流れる長大な第三楽章、この辺りから気分も高揚してきたのか、本来の彼女らしい盛り上がりでフィナーレへ。
アンコールは、曲名がわからない現代曲が二曲の後、カルメン幻想曲では彼女の超絶なテクニックを遺憾なく発揮し面目躍如というところで、拍手の鳴りやまない会場を後にしました。
帰りの電車の中で、考えるとプログラム4曲中3曲が僕の好きな曲ベスト5に入る曲だったとは、あまりにもラッキー。実は昨日7日は68才の誕生日、何か因縁を感じざるを得ません。
とにもかくにも、誕生日プレゼントの贈り主である家内と、久々のコンサート鑑賞を楽しんできました。
※ 写真は、演奏中の撮影は禁止されているため演奏前のものです。ドレスは後半に衣装替えした銀ラメのロングドレス。