バンダナであそぶあれこれ
保育園の中にある一時保育室です。1歳児と2歳児混合クラスです。毎日最大定員は10人です。 曜日によって登園する子供さんたちの顔触れが変わります。 たいていのお子さんは登園する曜日が決まっています。 お子さんたちの顔触れの組み合わせによってクラスの雰囲気だけでなく、遊びや遊び方やあそびの傾向や好みや自己主張の執着具合やこじれ具合も微妙に変わります。 ですからその日その日の登園メンバーによって保育のアプローチも反応もその味わいが変わってくるところが一時保育室の特徴でもあり面白いところです。
毎日の保育希望者の出欠席の混み具合や親御さんの都合などによって、いつもとは違うその日だけの特別な顔ぶれがそろう日というのがあります。お子さんたちにとってもその日は普段の自分の発想のあそび方とは違う楽しみ方を新鮮に取り込む日でもあるようです。
配備している布製のおもちゃのあれこれの中にバンダナがあります。 市販のバンダナのサイズは51㎝~52㎝位が定番のようです。この大きさは子どもさんたちにとってなかなか使い勝手の良い大きさのようです。
① 『マントにして○○マンに変身』します。 結び目は簡単にほどけない程度に緩めにしておきます。 子どもさんはマントを外そうと力任せにバンダナを引っ張るので結び目がきつくなります。 ほどいてあげるときに難儀しないためには緩めに結んでおくのがコツです。 マントが付くと即あこがれのヒーロー誕生です。 戦いごっこの始まりです。 自分は誰誰だと名乗りを上げるお子さん。 きめポーズで見得を切るお子さん。 正義の見方を演じるには「あくやく」とか「わるもの」とか「お化け」等々のいわゆるヒール役が必須アイテムですからその役が保育士に求められ、他の用事がない限りはリクエストに応えます。 その子の正義の味方ぶりの強さはヒール役の強さが牽引します。戦い加減はその子の力量に応じて悪役の力量を調整します。 (戦いごっこのディティールは改めて別の項で詳しくご紹介しましょう。) マント以外に頭や身体に装って「おひめさま」「おかあさん」「あかずきんちゃん」等々に変身します。風呂敷サイズの布があれば良いのですが、スカートやエプロンやおんぶ紐にしたがる子にはバンダナのサイズでは厳しいので三角に折って腰に結びます。
②お弁当をバンダナで包んで「おでかけ」や「おかいもの」や「えんそく」に出発します。お弁当なるものを手当たり次第に詰め込む子どもさんもいれば、タッパーに好みのおもちゃを入れていかにもお弁当を仕上げてこれを「つつんで」とバンダナを持ってくるお子さんもいます。
③お化けごっこやかくれんぼに使います。 バンダナを結ばずにペロッと頭に乗せて顔が隠れるようにすると完成です。「もういないよ、隠れちゃったよ」と宣言すれば「どこかな、どこかな」とかくれんぼあそびの始まりです。頭隠して尻隠さずという言葉がありますが、1~2歳児クラスの子どもさんにとっては顔さえ隠せば身を隠さずとも十分にかくれんぼあそびは成り立ちます。「みー・つけ・た」といいながらバンダナをパッと引っ張り取り、隠れている顔の種明かしをして次の局面へとエンドレスに遊びは続きます。 「おばけ~」と宣言すればおばけごっこの始まりです。 その宣言の声の感じや出し方によってお子さんたちの反応も様々となります。 その時居合わせたこどもさんたちの好みを考え併せて登場するおばけも、かわいいおばけ、こわいおばけ、かなしいおばけ、たのしいおばけといろいろアレンジします。 キャーキャー怖がってホラータイムになる場合と、お化け退治の戦いごっこに転進する場合といろいろあります。 いずれにしても程よい興奮加減に収めます。 何故かといいますと、興奮させすぎると収拾がつかなくなるからです。 お化け退治をするヒーローにとっても心のうちの半分には恐怖も含まれているからです。こここそが十分配慮してあげたいポイントです。
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