一時保育室から 子どものあそびと生活の風景 寸描②
保育園の1歳児クラスの子どもと2歳児クラスの子どもに該当する子供たちが混在しています。1~2歳児の縦割り仲間です。 一日当たりの保育室の定員は10名が上限です。
最近のことです。喧嘩の仕方に成長を感じ、ちょっと感動してしまいました。
大概は仲よく遊んでいますが、時として喧嘩もします。喧嘩といっても大人から見ればたわいのないものですが、彼らにしてみれば真剣そのもので本気むき出しの喧嘩です。 その分ややこしいといえばややこしいし、単純といえば単純です。 その場の『やきもち』はあっても、『心に深く根に持った感情がしこっている』だとか、『相手へのさかのぼった怨念』だとかはありません。2~3歳の子どもの喧嘩は大人の喧嘩とはこの辺りが全く性格の異なる喧嘩です。 物の取り合いで、とった、とられたで『今泣いたカラスがもう笑う』のはその瞬間その瞬間を精一杯に生ききっているからです。
主な喧嘩はモノ(おもちゃなど)の取り合い、場所の取り合いなどに関連した出来事です。 手にしたもの目に入ったものは自分のもの、さっき使っていたものの印象や記憶は全部自分のもの。 自分という小さな自我が全宇宙のまん中にあって、世界(天は)は自分の周りをまわっている、コペルニクスもびっくりの『超天動説時代』まだまだ自己中の時代です。世界の見え方が違います。
子どもさんにもいろいろの気性がありますから、穏やかでおっとりしたお子さんたちの登園が多い日は比較的平和でのどかなのですが、似たような傾向(好みの色、こだわりやこだわり方、独占欲求)をはっきり主張する子どもがかち合う曜日は喧嘩の頻度も増します。 ○○ちゃんと△△ちゃんが二人同日登園する日は、なかなか穏やかな一日にはなりません。二人の月齢差は約一年ほど離れていますが、一旦物の取り合いとなると時には過激な事態にもなりかねませんので普段以上に事の成り行きや経緯を把握しなくてはなりません。 二人は約週一ペースで遭遇しますので担当職員として二人の様子や駆け引きや言葉や言葉のやり取りなどはいわば「定点観測」することができます。複数担任ですからたとえば喧嘩にしてもその全体状況を複眼で捉えることができます。 担任同士先週、先々週の喧嘩の印象などを報告し合ってみたら、今日の喧嘩の様子は二人ともそれなりに『手加減』したり『強引さが緩くなって』いたりしていることが見て取れました。 喧嘩しながらも経験智が増えお互いに関わりの中で学び合っている、心が育ちつつあると読み取れたら妙に感動してしましました。
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