一時保育室から 子どものあそびと生活の風景 寸描③
保育園の1歳児クラスの子どもと2歳児クラスの子どもに該当する子供たちが混在しています。 1~2歳児の縦割り仲間です。 一日当たりの保育室の定員は10名が上限です。
今回は端的に言いますと「排泄の自律」のお話です。 日中の大半を「オムツ」で過ごしていた子供さんが、やがて「パンツ」での生活へと替わっていきます。おむつからパンツへの過渡的な日々、それはささやかですが実にドラマに満ちた日々です。排泄の自律を獲得していくお子さんたちにじっくり付き合っていくと、精神面での自律も併せ持って読み取っていけます。 いろいろなお子さんがいます。個々の生理的な条件や、その日の気分や体調や何やかやが絡んで来ますから、たいていの場合「オムツからパンツへの移行」はそうそう簡単には移行はしません。 遊びに夢中になっていて「おもらし」する場合や、トイレに行こうとしていたのにその手前で間に合わずに漏れちゃう場合もあります。 けれどもたとえおもらししちゃってもそれを「失敗」というスケールで見ないように心がけています。 もれちゃった場合は『失敗という評価や叱責』を持ち込まずに、その事実は事実として等身大のありのままを共有します。それ以上でもそれ以下でもないありのままの受け止めが大事です。 次への励みや希望や憧れとなるような対応を大切にしています。ドンマイ、ドンマイ。
肝心なのは「尿意」を感じ取れること、尿意を感じつつも漏らさないよう自分の身体を調整できるようになることです。その時の『自分の身体のありようを感じ取れ調整できること』が何よりもそのお子さんの自負という心映えの礎の一つになっていくのです。子どもさんの生活とあそびの丸ごと全体の処で付き合っていくとそのささやかな変化や波及効果の過程を感じ取れるものです。
「排泄の自律の獲得」はそのお子さんとそのお子さんに付き合う大人とが『信頼』をベースに二人三脚で取り組んでいく素敵なドラマなのです。 「漏れちゃったね、そんじゃあ 新しいパンツととっかえようか こん次はどうかな」
排泄の自律の過程につき合えることの喜びは保育という仕事を通じて味わえる醍醐味の一つです。
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