一時保育室から 子どものあそびと生活の風景 寸描④ となりどうしへのあこがれ
保育園の1歳児クラスの子どもと2歳児クラスの子どもに該当する子供たちが混在しています。 1~2歳児の縦割り仲間です。 一日当たりの保育室の定員は10名が上限です。曜日によって登園するメンバーが異なります。その分少々ややこしい面もありますが一方極めて面白い保育です。
仲間関係が深まってくると、あそびの相手というとき以外にも自分の好きなお友達と一緒に行動したくなります。 お散歩に出るときの道中の『手つなぎ』のパートナー「○○ちゃんとおててつなぎたい」、食事の時の隣りあう席を「○チャンのとなりがいい」、午睡の時「となりどうしのおふとんがいい」などとリクエスト(ラブコール)をして相手との気持ちの距離感の強さが色濃く出てきます。
こうした希望表明は登園する日を追うごとに微妙に変化しますからその希望を大事に受け止めて願いの叶うように対応します。…が、スムーズに行かないこともあり、それはそれでその子その子の心の育ちのありようを読み取る手立てになります。希望が交錯するとややこしくなりますが、そのややこしさが心を育てます。
手つなぎの場面で、あーちゃんといーくんがてをつなぎました、すると、うーたんがいーくんのもう一方のあいている手をとりました。その様子を見ておーちゃんがあーちゃんの反対の手にしがみつきました。3人くらいまではそのまま出発できますが、あららどうしましょう、と思っていましたら、あとから駆け付けたえっちゃんがうーたんとおーちゃんの手をつないだので、手つなぎは小さな輪っかになりました。なんか変です。みんなげらげら笑って、あるきだしたらぐるぐるまわりになってこれでは散歩に行けません。ほどのよいところをみはからって、二人つなぎと、三人つなぎの組み合わせになってもらって「さあ、しゅっぱつだー」
部屋にはテーブルが二台あります。一台は6人掛け、もう一台は4人掛けです。テーブルの高さは6人掛けのほうが45ミリ低いです。主に1歳児さんが低いほうのテーブルに、2歳児さんが高いほうのテーブルに着席します。席順は毎回自由ですから、『好きな場所に座ることにこだわるお子さん』と、『好きなお友達の隣に座りたがるお子さん』といます。 食事場面で、「△クンのとなりがいい」「△△ちゃんのとなりにすわりたい」こうした主張をするのは2歳児さん(満3歳のお誕生日をする子・した子)たちですが、保育室での生活も4月から6カ月~7カ月も経ってくるとすっかり仲間関係も深まってきていますから1歳児さん(満2歳のお誕生日をした子・する子)の中にも積極的に「・・・となりがいい」と希望を主張するお子さんも出てきます。隣席は一つないし二つしかありませんから、希望が3人以上重複するとその調整がややこしくなります。 どうしても隣がいいという主張を曲げない子には「お向かいの席だったら○ちゃんのお顔がよく見えるけどどうかしら」などといった新たな発想を提案して妥協案を探ります。
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