多分皆さんもお気づきだと思いますが、本日の朝日新聞夕刊の[惜別]欄に堀越くんが掲載されていましたので、ここに紹介します。
(惜別)堀越千秋さん 画家 引用元:朝日新聞 夕刊 2016.12.3.
■羽ばたく、命あふれる作品
10月31日死去(多臓器不全) 67歳
どんなに曇った心をも、一瞬で晴天にする太陽のようだった。作品も、その人柄も。絵画、陶芸、版画に書。垣根知らずの好奇心。掌(たなごころ)にすっぽり、ごろりとおさまる、滑稽な形状の手づくりお猪口(ちょこ)が物語る。権威、形式、何ログイン前の続きするものぞ。手にとる人の心が躍れば、それでいいじゃないか。
東京芸大大学院を経てスペインに居を定め、心のままに生きる贅沢(ぜいたく)を知る。「森羅万象を冷静に、客観的に見ることが絵の勉強」「芸術は、相反する二者を一つに昇華する」。そんな哲学の前には抽象と具象の境界など無意味だった。初夏になると、埼玉の山奥に自ら構えた窯に赴いた。地元の人や留学生らが酒や肴(さかな)を手に集い、我先にと窯焚(た)きや薪(まき)割りを手伝った。
東京・銀座で「画廊香月(かずき)」を営む香月人美さん(58)には、命あふれる作品の数々が「人のはらわたの切断面」に見えた。「私たちの中に、宇宙や自然の尊き全てが備わっていることを思い起こさせる」
5月、同画廊での自身の個展の折、痩せた腕で突然筆をとり、絶唱のように扉に一気に走らせた。10分で躍動的な絵が完成。黒く丸く塗り込めた部分を「命の種みたい」と言う香月さんに、へへっとはにかんだ。
日本の地方の祭りを巡っては、多様な命のありように涙した。全日空の機内誌「翼の王国」の表紙絵は今月号が絶筆に。淡い虹のかかる大空で、色とりどりの鳥たちがめいめいの方角を向き、健やかに羽ばたいている。(編集委員・吉田純子)
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朝日新聞 夕刊 [惜別] 2016.12.03.
堀越千秋くんを偲ぶ会 第二報