一時保育室から 子どものあそびと生活の風景 寸描⑥ はしゃいじゃおう
保育園の1歳児クラスの子どもと2歳児クラスの子どもに該当する子供たちが混在しています。 1~2歳児の縦割り仲間です。 一日当たりの保育室の定員は10名が上限です。 曜日によって登園するメンバーが異なります。 その分少々ややこしい面もありますが一方極めて面白い保育です。 お正月休み明けの数日は、特に登園してくるお子さんが少ない保育室です。
たまたま普段自己主張の強い子の陰で目立ちにくいお子さんが二人(男の子が一人女の子が一人)、お昼寝から起きてきました。 他のお子さんたちはぐっすりとよく寝ています。 目覚めた二人にしてみればいつも通りの午睡の眠りの長さで目覚めたにすぎません。 他のお子さんたちは実にぐっすりとよく寝ています。 起き抜けの二人が穏やかにゆるゆるとあそべるおもちゃを今日も用意します。 とりあえずいつものパターンでデュプロブロックなどで騒がしい音もたてず静かに遊んでいました。 他のお子さんたちはよく寝ています。 こんなチャンスはめったにありませんから私のこころの中で『レッツ・はしゃいじゃおう』のギアスイッチをロウからドライブに入れてちょっとかまってみました。 段ボール製のおうち(パーテーション)を使って、二人をお家の壁で取り巻きました。 お家といっても屋根のないモンゴルのパオみたいな空間です。 壁には○△□の窓があちこちに明けてあります。 空間をすぼめたり広くしたりして不思議の国のアリスのお家もどきで、まず私自身がはしゃいで不思議空間の不思議を演出します。 二人も私の笑い声と不思議オノマトペに共鳴してケラケラ笑い出し、やがてげらげら笑いだし、さらにはげたげたと笑いのマックス域にせりあがってきました。 それなのに他のお子さんたちは二人の大笑いにもかかわらず、ぐっすりと眠りつづけています。 時間的にはもういつでも起き出してきても構わない頃合いです。 『レッツ・はしゃいじゃおう』のギアスイッチをドライブからハイトップに入れて、おうちの壁のほうがぐるぐる回ります。 中の二人は床の上に座っているだけなのですが、周りの壁がぐるぐる回っているのを見ているうちに、まるで自分たち自身がフィギュアスケーターのスピンをしているような錯覚状態になるのでしょう。笑い声のマックスは超マックス。 酔っ払い声のようで、おやおや、よだれまで垂らしちゃって…。 それなのになんとほかのお子さんたちはまだ眠っています。
夕方お母さんがお迎えに来た時に「おもしろかったねぇ」と報告していました。 このはしゃぎあそび体験の印象を大事にしてあげたいと思います。
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