拝啓
都知事選での歴史的圧勝を心からお祝い申し上げます。
東京のため、日本のため、そして世界のために、これまでの豊富なご経験を生かされて重責を果たして行かれるよう心からお祈り申し上げます。
ご着任早々東京五輪への対応が求められますが、去る7月10日付メッセージでお伝えしたとおり、その返上は、日本の自浄能力によるのか、IOCによる失格判定によるのか、いずれにせよ時間の問題になったと確信いたします。
「嘘の宣言」に立脚する東京五輪の致命傷は倫理の欠如です。取り沙汰される贈収賄問題も深刻です。五輪の生みの親のクーベルタンは「倫理の基本的諸原則の尊重」を求めました。五輪返上と五輪改革の必要性は最早明白です。
福島の危機的現状は、悪化こそあれ全く改善を見ておりません。このような状況下での東京五輪開催は不道徳であり、問題外であると確信いたします。
小出裕章先生から7月25日に寄せられたメールを別添お届けいたします。
原子力緊急事態宣言 引用元:小出氏から村田氏へのメッセージ
村田 光平 様
こんにちは。 この間もたくさんのメッセージを私にもお送りくださり、ありがとうございました。 村田さんでなければできないご活動、いつもありがたく思っています。 ご返事も差し上げないままで、失礼しました。
2011年3月11日に発令された原子力緊急事態宣言は、事故から5年以上たった今も解除されていません。 それどころか、汚染の主成分であるセシウム137の半減期は30年であるため、今後数十年あるいは数百年にわたって解除できる見込みすらありません。 緊急事態が数日、あるいは数週間にわたって続けざるをえないことは、場合によってはあるかもしれません。 でも、5年半近く解除できないままで、今後も数十年、数百年に亘って「緊急事態」を続けるなどということは、法治国家としてあってはならないと私は思います。 そのうえ、経済最優先の掛け声の下、緊急事態宣言下の国で東京オリンピックを強行するなど、およそ正気の沙汰とは思えません。
村田さんがお書きになっている通り、「商業主義」「国家主義」がオリンピックの精神を捻じ曲げていますし、それどころか、原子力緊急事態宣言の下、被害を受け続けている人々の苦難を放置してしまっています。
村田さんがたびたびお書きくださり、あちこちに呼び掛けて下さっている通り、東京オリンピックは自主的に返上すべきものと思います。 今後ともご活躍くださいますよう、お願いします。
2016/7/25 小出 裕章 |
その骨子は「2011年3月11日に発令された原子力緊急事態宣言は、事故から5年以上たった今も解除されていません。原子力緊急事態宣言の下、被害を 受け続けている人々の苦難を放置してしまっています。経済最優先の掛け声の下、緊急事態宣言下の国で東京オリンピックを強行するなど、およそ正気の沙汰と は思えません」というものです。
東京五輪返上の賛同者は周辺だけでも激増しております(私のホームページへのアクセス数は通常1日に100~200ですが小出先生のメールを掲載した後の7月28日には1000を超えました)。
文科省作成の別添資料でも放射能汚染は東京の一部に到達しております。
五輪返上を早急に決定し、福島事故の収束に全力投球して、これ以上の放射能汚染の拡大を防ぎ、東京も住めなくなる事態の発生を防ぐことが都民にとりましても最重要、緊急課題の筈です。
貴知事のご理解とご支援をお願い申し上げます。
一層のご発展とご自愛をお祈り申し上げます。
敬具
第6次航空機モニタリングの測定結果